『ONE PIECE』黒ひげの“小者感”が加速…最終章の盛り上がりは絶望的?

『ONE PIECE』黒ひげの“小者感”が加速…最終章の盛り上がりは絶望的?

『ONE PIECE』103巻(尾田栄一郎/集英社)

漫画『ONE PIECE』において、ラスボス候補として最も有力だと目されている“黒ひげ”ことマーシャル・D・ティーチ。9月12日発売の『週刊少年ジャンプ』41号に掲載された最新話では、そんな黒ひげの小者描写が加速し、読者たちを不安にさせているようだ。

※『ワンピース』最新話の内容に触れています

第1059話『コビー大佐の一件』では、黒ひげ率いる「黒ひげ海賊団」が女ヶ島に登場。アマゾン・リリーと海軍による戦いに介入し、ボア・ハンコックの「メロメロの実」の能力を奪おうとするのだった。

しかし自信満々で登場したはいいものの、海軍が持ち出してきた新型パシフィスタ「セラフィム」の攻撃によって、「黒ひげ海賊団」は半壊状態に。またインペルダウンLEVEL6から引き抜いた大幹部カタリーナ・デボンとバスコ・ショットも、ハンコックの「虜の矢(スレイブアロー)」により、石になってしまう。

さらに衝撃を呼んだのは、黒ひげ自身の描写だ。ハンコックの能力を無効化することに成功するものの、「メロメロの実」を強く警戒。どうやらハンコックは手を触れられてさえいなければ、黒ひげを石化できたようだ。

また黒ひげは戦いの仲裁にやってきたシルバーズ・レイリーを見ると、冷や汗をかいて驚愕。レイリー自身はその後、今の自分では勝てないと言っていたものの、黒ひげが“ビビった”ように描かれていたのは確かだ。

そんな描写を見た読者からは、《現状黒ひげがあまりにも小物過ぎるなあ ラスボスの風格はとてもない》《散々弱そうって言われてた黒ひげ海賊団さんガチで弱いのほんま草》《黒ひげってなんでこんな弱そうなんだろうな》と戸惑いの声が上がっている。

なぜかませ犬のポジションなのか

黒ひげの小者描写は今に始まったことではなく、かつてインペルダウン監獄に侵入した際には、署長であるマゼランの「ドクドクの実」をその身で体験して絶叫。バナロ島におけるエース戦でも、結果は勝利だったものの、激しく苦戦する様が描かれていた。

また、深い関わりのある白ひげからは、「過信」「軽率」が弱点だと指摘されたことも。読者はもちろん、作中でも他のキャラクターから軽んじられている側面は否めない。

とはいえ、ここまで露骨な描き方だと、逆に何らかの意味があるようにも感じられる。もしかすると作者・尾田栄一郎は確信犯的に、黒ひげを小者化させているのかもしれない。

最近完結した「ワノ国編」でルフィの前に立ちはだかったカイドウは、ある意味で黒ひげとは対照的なキャラクター。この世で最強の生物と称され、世界中がその強さを認めており、戦闘中にも強者としての威厳を保っていた。つまりカイドウは、いわば“大物”としてのボスの最上級であり、同じ路線ではどんなキャラを出しても超えられそうにない。

むしろ黒ひげはカイドウとは違い、ジョーカー的な存在として「麦わらの一味」を苦しめるのではないだろうか。この先、両者がどのような戦いを繰り広げるのか、ますます目が離せない。

文=Tら
写真=まいじつエンタ