VTuber業界にも“AI革命”の波! ついにAIイラストを使った事務所が始動

VTuber業界にも“AI革命”の波! ついにAIイラストを使った事務所が始動

VTuber業界にも“AI革命”の波! ついにAIイラストを使った事務所が始動 (C)PIXTA

よくもわるくも、さまざまな話題を世の中に提供している「AIイラスト」。そんな中で『ミーチュー株式会社』が、画像生成AIを活用したVTuberプロダクションの設立を発表。これ以上ないほどタイムリーな試みに、注目が集まっている。

“体”がAIイラストのVTuberたち

今回発表されたVTuber事務所の名前は「ほへとプロダクション」。1期生として計7名のデビューが予告されており、それぞれのVTuberの特徴なども決まっているようだ。

たとえば1期生の1人である「接木きまり」は、VTuber界隈ではすっかり定番となった委員長系VTuber。表向きは品行方正だが、実は脂っこいラーメンなどが大好きという“暴食”キャラで売っていくようだ。

その他のキャラにも、どうやら「七つの大罪」にちなんだ特徴が割り振られている模様。そしてそんな彼女たちの一番の特徴は、やはり画像生成AIによって“ガワ”が作られていることだろう。

現在VTuber業界で主流なのは、イラストレーターが描いた絵にLive2Dでモーションをつけ、演者の動きに連動させるやり方。そのためイラストレーターがVTuberやそのファンから「ママ」と呼ばれ、イラストを「ガワ」「体」、そして中の人である演者を「魂」などと呼称する慣わしがある。

しかし「ほへとプロダクション」のやり方であれば、所属VTuberの「ママ」はAIということになるので、イラストレーターへの依頼は不要に。この新しい試みは、VTuberファンからはどのように受け入れられているのだろうか。

「ママがAI」でも人気VTuberになれる?

「ほへとプロダクション」に関してネット上の声を見てみると、《顔がAIのデフォルトレベルじゃん》《ソシャゲのレア度Nキャラ並べた感じ》《どこかで見たような気がする奴しかいない》といった厳しめの声が。現状公開されている1期生7名のデザインに、個性が感じられないとする意見も多いようだ。

しかしその一方で、《ガワより中身の方が遥かに重要》という意見も。現在「ほへとプロダクション」は1期生のオーディションを行っているので、中の人が人間であることは間違いないのだろう。

そして現在流行りの生配信を生業とするVTuberにおいては、「中の人の個性」が何より重要視される傾向にある。つまり仮にAIが生成した「ガワ」が没個性的であっても、「魂」が面白ければ人気VTuberになる可能性もあるということだ。そういった意味では、コストカットという面で画像生成AIの導入は期待が持てるかもしれない。

とはいえ、先日始動したVTuberプロダクション『Varium -ぶいありうむっ!-』は、「ホロライブ」と同じイラストレーターが「ガワ」を担当していることで、大きな話題を呼んでいた。そうしたネームバリューによる話題作りができないことが、どれほどネックになるのかは未知数だ。

「AIから生まれたVTuber」は、どれほど人気を獲得できるのか。今後も「ほへとプロダクション」の挑戦に注目したい。

文=大上賢一

【画像】

Koldunova / PIXTA