ジャンプ史上ぶっちぎりの悪人!? やりすぎ表現で物議を醸した少年漫画ランキング

ジャンプ史上ぶっちぎりの悪人!? やりすぎ表現で物議を醸した少年漫画ランキング

ジャンプ史上ぶっちぎりの悪人!? やりすぎ表現で物議を醸した少年漫画ランキング (C)PIXTA

どこもかしこも、コンプライアンスの配慮が厳しくなっているエンタメ業界。しかし一昔前の漫画業界では、たとえ少年向けであっても、過激な表現が平気で使われていたようだ。今なら許されないであろう“やりすぎ漫画”の数々を振り返ってみよう。

<3位>『ゆらぎ荘の幽奈さん』の先進的ギミック!

『ゆらぎ荘の幽奈さん』は、ミウラタダヒロによるお色気ラブコメ作品。『週刊少年ジャンプ』2019年48号に第181話が掲載された際、とある裏技によって読者たちの度肝を抜いた。

同号にてカラーページで掲載された扉絵には、温泉で胸を強調したポーズをとるヒロイン・湯ノ花幽奈の姿が。

それだけでも十分セクシーだが、実は紙面でしか見られないギミックが隠されていたのだ。

裏のページではやけにリアルに描き込まれた「ピンクタピオカ」が、絶妙な位置に。それを表から透かして見ると、幽奈の胸で“ある種のトリックアート”が成立する仕掛けだった。

「ジャンプ」では不可能な壁を超える表現として、紳士的な読者からは《これは天才だわ》《矢吹神の後継者だろ》と絶賛の声が。

良くも悪くも「ジャンプ」ラブコメ史に残る伝説となった。

<2位>『パジャマな彼女。』トラウマ級の暴力描写

濱田浩輔の『パジャマな彼女。』も、「ジャンプ」に掲載されていたお色気ラブコメ。連載期間こそ短かったものの、当時の読者に消えないトラウマを植え付けた。

その原因となったのが、第8話から登場した不良男だ。

彼は狂気じみた目つきもさることながら、ささいなことで激昂する危険人物。面識もないヒロインを誘拐した上、ナイフを片手に脅しや性暴力を繰り返している。

しかもナイフで躊躇なく人を刺して笑みをこぼす描写もあり、少年誌に登場する不良にしては度を超えていた。

ネット上では“パコさん”とあだ名がつけられており、《今でも思い出すと震えてくる》《ジャンプ史上ぶっちぎりの悪人のパコさん》《あいつだけ身近にいそうな恐怖が伝わってきて普通に怖い》と、未だに語り継がれている。

<1位>NGワードを堂々と…『エデンの檻』

『エデンの檻』は、2008年から『週刊少年マガジン』で連載されていた山田恵庸の作品。飛行機事故をきっかけに、古代生物がはびこる謎の孤島に迷い込んだ少年少女たちのSFサバイバル漫画だ。

問題が起きたのは第46話で描かれたエピソード。主人公のアキラは秩序のない島で「国を造ること」を目指していたが、ある日、女子大生・河名コトミに誘惑されてしまう。

しかしアキラがそれを拒絶すると、コトミは激怒。

怒りのまま「何がクニだよ」と言い出すと、「〇〇〇しろオラァァァ」と“クニ”をもじった行為を行うようアキラを恫喝する。

清楚だった女性キャラが豹変するギャップに加えて、青年誌ですら滅多にお目にかかれない単語が登場するシュールさ。しかもNGワードを“伏せ字ナシ”で掲載したことも衝撃を呼んだ。

この話が掲載された「マガジン」2009年51号は回収などはされなかったが、さすがに問題となったのか、コミックスでは伏せ字に修正されていた。

最近ではあまり見かけることがなくなった、少年誌におけるライン際の攻防。NGスレスレのネタが飛び出し、それを読者が内輪で楽しむ…という幸福な時代は、すでに終わってしまったのだろうか。

文=野木

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