ファンでなきゃ見逃しちゃうね…『HUNTER×HUNTER』の“強烈モブキャラ”ベスト3

ファンでなきゃ見逃しちゃうね…『HUNTER×HUNTER』の“強烈モブキャラ”ベスト3

『HUNTER×HUNTER』37巻(冨樫義博/集英社)

冨樫義博の大人気漫画『HUNTER×HUNTER』には、魅力的なキャラクターたちが数えきれないほど登場する。物語の脇役でしかないモブキャラですら、いまだに熱狂的な人気を博しているほどだ。今回はそんなインパクトの強いモブキャラたちを、3人ピックアップしてご紹介していこう。

<3位>名シーンの立役者・ジョネス

ジョネスは、物語序盤の「ハンター試験」に登場した囚人。第三次試験の「トリックタワー」で5対5の勝ち抜き戦に挑んだ1人だ。

彼は解体屋(バラシや)の異名を持ち、懲役968年という最悪の大量殺人犯。素手で相手の肉をすばやくむしり取る、残虐な技の持ち主らしい。

ところがそんな仰々しい設定はスルーされ、キルアに一瞬で敗北。目にも留まらぬスピードで心臓を抜き取られ、その後に何が起きたかようやく気付くという圧倒的な実力差だった。

それまでキルアの実力は謎に包まれていたため、ジョネスはちょうどいいかませ犬だったと言えるだろう。

そのためコアなファンにとっては、お馴染みの存在。SNS上では《ハンタのジョネスはワンピのヒグマと同じ位メジャー》《解体屋ジョネスはさすがにメジャーでしょ》《くっそメジャーなキャラだと思うわ》といった声が噴出している。

<2位>作中一番のヘタレ・モタリケ

「グリード・アイランド(G・I)編」に登場したモタリケは、作中屈指の“ヘタレ”としてお馴染みの脇役だ。

ゲームをクリアできないまま何年も彷徨い続けた挙げ句、もはや攻略することを放棄。ゲーム内で就職や結婚までして仮初の人生を謳歌しているという、オンラインゲーマーの成れの果てのような存在だった。

作中ではゴンたちを襲撃する役どころだったのだが、その理由がまた酷い。

ゲームをクリアするためではなく、日銭を稼ぐためにレアカードを狙ったのだ。しかも、外見で弱そうと判断したうえで。

モタリケは「窃盗」カードでレアカードを奪い取ろうとするも、そんな半端者の策が通じるわけもなく、キルアの策にまんまと騙されてしまう。

だが反撃するでもなく、ただただ打ちひしがれるだけだった。

その後もゲンスルーの言いなりになり、人柱となりかけるなど散々だったモタリケ。こんなにもヘタレで不運なのに、彼は一体どうやってG・Iの参加資格を得たのだろうか…。

<1位>名無し有名人「手刀を見逃さなかった人」

「HUNTER×HUNTER」のヨークシン編で、もっとも有名なセリフといえば、「おそろしく速い手刀 オレでなきゃ見逃しちゃうね」を思い浮かべる人も多いだろう。

ネットスラングとしても定着しつつある名ゼリフだが、これを放ったのは名もなきモブキャラだった。

彼は殺し屋を生業とする男。第96話では、「幻影旅団」団長のクロロがネオン=ノストラードと共にいるのを、監視カメラごしに見張っていた。そのときにクロロが放った“おそろしく速い手刀”を発見。そして件のセリフが発されたという流れだ。

後にクロロに誘い出され、一騎打ちに臨んだ彼だが、戦闘シーンもなしに敗北。「密室遊魚」の犠牲になっている姿が描かれた。

とはいえ、クロロがわざわざ一対一で勝負したくなるほどの実力者だったことは間違いないはず。

わずかな登場シーンではあるが、《団長の手刀を見抜いたからさぞかし強いんだろうな》《クロロに一瞬で殺されたけど絶対強いやろ》と、読者からも一目置かれているようだ。

「団長の手刀を見逃さなかった人」をはじめとして、「HUNTER×HUNTER」の世界には強烈な個性のモブキャラが次々登場してきた。

現在進行中の「王位継承編」でも、新たな人気者が誕生することを期待しよう。

文=野木
写真=まいじつエンタ