大人気RPG「ファイナルファンタジー」シリーズの中でも、屈指の大ヒット作『ファイナルファンタジーX』(FF10)。感動のストーリーとは裏腹に、さまざまなツッコミどころが存在することも知られている。どんな要素がネタにされてしまっているのか、あらためて振り返ってみよう。
<3位>弱すぎた“誇り高きガード”キマリ
同作に触れたプレイヤーの大半が感じるのは、パーティメンバーのうちキマリが弱すぎること。巷では、最も使用頻度が低いとすら言われている。
作中でキマリは、本編のストーリーが始まる前からユウナを守ってきた「ガード」として登場。
屈強な体格と、獣のような見た目がいかにも強そうなのだが、実際のバトルにおいてはかなり頼りなかった。
キマリは「他人の技を覚えて使いこなす」という特性上、他キャラの技をほとんど習得可能なオールマイティな存在。だが、うまく育成できないと誰かの二番煎じか器用貧乏で終わってしまう。
ステータスも何かが特別秀でているわけでもないので、自然と二軍行きになりがち。終盤のイベント戦でしか、まともに使わなかったプレイヤーも多いはずだ。
そんな使いづらさを抱えているにもかかわらず、イベントなどで発するセリフは勇猛果敢。とくに総ツッコミをくらったのが、「キマリが死んだら誰がユウナを守るのだ!」というセリフだ。
バトルにおいては、むしろユウナたちに守られる側なのに…。
<2位>清楚系肉食ヒロイン・ユウナ
多くのRPGでは、主人公とヒロインは冒険のなかで恋に目覚めていく。
だが、「FF10」はヒロインのユウナが一目惚れするという珍しいパターンだった。
公式資料の『アルティマニア』では一目惚れのきっかけとなった出来事が説明されていが、大した理由ではないため、見た目の印象に左右されたと考えるファンも多い。
そうなると、「世界一ピュアなキス」は面食いから生まれたということになるだろう。
一見、清楚系のユウナだが、振り返ってみれば出会ってすぐ積極的にティーダにモーションをかけていた。
ティーダがガードになった経緯も、ユウナの「ガードじゃなくてもいいの そばにいてくれれば」という熱烈なラブコールがあったためだ。一目惚れしたことを踏まえれば、かなり大胆に見えてくる。
なお、ティーダはユウナに出会う直前、ワッカから「好きになるなよ」と釘を刺されていた。
ワッカはユウナ側が恋する可能性を考慮していなかったのだろうが、人を見る目がなかったと言わざるを得ない。
<1位>メンズ脱毛の時代を先取りしたアーロン
ここ数年、男性の間でも脱毛ブームが起きているが、「FF10」はある意味それを先取りするゲームだったと言えるだろう。
「FF10」は当時最先端の美麗な3DCGムービーが売りだったが、そこでアーロンのワキも美麗グラフィックでご開帳。左腕を大きく振り上げるシーンがあるのだが、ワキには毛1本生えていなかった。
アーロンといえば、作中で「伝説のガード」として畏怖される人物であり、白髪にいぶし銀な着物の“イケオジ”的な風貌。
そんな彼がまるで脱毛をバッチリ決めたようなワキだったため、プレイヤーたちに《あんな渋いキャラなのに乙女みたいにツルッツルなのジワジワくる》《あの顔で脇毛ないの!?》と衝撃を与えてしまったのだ。
なお、ワッカもワキ毛がないようだが、そもそも彼は水中球技であるブリッツの選手。水抵抗を減らすために剃っていてもおかしくはない。
他方で、逆に“ムダ毛がなさそうなのにある”パターンも。イケメン的な造形のシーモアは、胸元にタトゥーを入れているのだが、実はそこには胸毛がしっかり存在する。
盛りすぎな髪型から察するに、シーモアは見た目に気をつかうタイプだと思われるが、ある種の美学として胸毛を残しているのだろうか。
発売から約20年が経っても、定期的にネット上でなにかと話題になる「FF10」。もしかするとツッコミどころの多さも、名作の条件なのかもしれない。
文=野木
【画像】
paffy / PIXTA