『BLEACH』に登場する死神たちは、斬魄刀の能力を解放した「卍解」を奥の手とする。いわば、究極の必殺技と言えるのだが、その中には実戦に耐えない性能のものも…。今回は「残念すぎる卍解」をランキング形式でご紹介していこう。
<3位>砕蜂「雀蜂雷公鞭」
砕蜂は、死神たちの世界に君臨する「護廷十三隊」の二番隊隊長。傲岸不遜な態度で、いかにも強キャラっぽい雰囲気を漂わせている。
実際に砕蜂の斬魄刀「雀蜂」は、かなり強力な能力をもつ。始解の「弐撃決殺」は、二度同じ部位に攻撃を当てれば相手が落命する、チートのような性能だ。
しかし卍解の「雀蜂雷公鞭」は、始解状態とは全く別の能力に変化する。
その能力は、巨大な砲台のようなフォルムに変形した右腕から、ミサイルを発射するというものだった。
おそらくは「弐撃決殺」の始解に対して、「一撃必殺」の卍解というコンセプト。かなりド派手な見た目であり、威力も高い技ではある。
しかし、そもそも砕蜂は隠密を生業とする者である上、スピードを活かした戦闘スタイルなので、ミスマッチ感が強い。
なお作中では、「破面篇」のバラガン・ルイゼンバーン戦で初めて使用。無理しながら二発撃ったものの、バラガンを倒すには至らなかった。
それどころか自分に返ってくる反動と相手に与えたダメージが釣り合っていないという、何とも微妙な結果に終わっている。
<2位>班目一角「龍紋鬼灯丸」
班目一角は、武闘派の多い十一番隊でもとくに好戦的な性格。第三席でありながら、隊長と副隊長以外で唯一卍解を習得している貴重な人材なのだが、その能力はハッキリ言ってハズレだった。
一角の斬魄刀「鬼灯丸」の始解は、形状が刀から槍と三節棍に変形するという極めてシンプルな能力。
その一方、卍解「龍紋鬼灯丸」では、斧のような形をした巨大な三つの刃に変化する。
刃の一つには龍の紋様が彫られており、相手に攻撃するか、相手からの攻撃を受けることで徐々に龍が赤く染まっていく。
そして完全に龍が赤くなると、破壊力が最大化する寸法だ。
なぜこれがハズレかと言うと、そもそも卍解には「壊れると直せない」という前提があるため。
「龍紋鬼灯丸」は壊れるほどに強くなっていく仕組みなので、矛盾していると言わざるを得ない。
実際に作中では、破面のエドラド・リオネス戦で全壊しており、耐久性も皆無に等しい。
ちなみに、一角は「鬼灯丸」の柄の部分に止血用の塗り薬を入れているのだが、一部の読者からはこちらが本当の卍解なのではないかと揶揄されてしまっている。
<1位>六車拳西「鐵拳断風」
六車拳西は、虚(ホロウ)の力を持つ死神「仮面の軍勢(ヴァイザード)」の一員。110年前には「護廷十三隊」九番隊隊長を務めていた人物だ。
六車の斬魄刀「断風」は、始解ではコンバットナイフのような形に変化。さらに、振るったときに発生する風を糸状にして飛ばし、その太刀筋が相手に当たると炸裂する。
直接攻撃系の単純な斬魄刀ではあるが、使い勝手は悪くなさそうだ。
しかし、「鐵拳断風」は卍解の中でもトップクラスに残念な仕様。
能力を解放すると、刀身がまるでメリケンサックのような形状になり、拳で相手に触れている間は無限に炸裂が発生する。
一見強そうにも思えるが、メリケンサック状になったことでリーチが元の状態から極端に短くなってしまう。
巨大化という利点がある分、「龍紋鬼灯丸」の方がまだマシと言われるほど。
作中でもかなり雑な扱いを受けており、ワンダーワイス・マルジェラ戦で初披露されたものの、六車が卍解したコマでフェードアウト。
その後一切戦いが描かれることなく、後にワンダーワイスは無傷で登場している。
当時の読者は結局どのような卍解なのか分からないまま、いつの間にか戦いが終わっていた。
そんな残念な斬魄刀がある一方で、藍染の「鏡花水月」や山本元柳斎重國の「流刃若火」など、始解だけで圧倒的な強さを誇る斬魄刀もある。
死神の世界も、なかなかシビアにできているようだ…。
文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ