ウミヘビに噛まれたらアイスティー?『名探偵コナン』が教えてくれたタメになる雑学3選

ウミヘビに噛まれたらアイスティー?『名探偵コナン』が教えてくれたタメになる雑学3選

『名探偵コナン』102巻(青山剛昌/小学館)

『名探偵コナン』で事件解決のためにコナンが発揮しているのは、推理力だけではない。危険から身を守ったり、謎を解いたりするために、いくつもの豆知識が披露されているのだ。

今回はその中でも、現実生活でタメになりそうな豆知識を3つピックアップしよう。

実用的?「ヘビに噛まれたら紅茶」

17巻に収録された『スキューバダイビング殺人事件』では、猛毒を持つエラブウミヘビを使った殺人未遂が行われた。

エラブウミヘビはハブの70倍以上の神経毒を持ち、一説によると死亡率が6割を超すほどの毒性だという。

そんな恐ろしいヘビに噛まれた被害者に対して、コナンが示した応急処置は、患部をきつく縛ったうえで、毒を口で吸い出し、アイスティーで傷口を洗うというもの。

毒を吸い出した口もアイスティーでゆすぐ必要があるという。

コナンによると、紅茶に含まれる「タンニン」が毒の成分を中和する効果を持つとのこと。

なお、タンニンは紅茶以外にも、コーヒーやワイン、渋柿などにも含まれている。

手近なものでできる応急処置だが、リスクが伴うことには注意が必要。

もしエラブウミヘビに噛まれることがあったとしたら、まずは専門家の指示を受けてほしい。

サバイバルで役立つ「時計で方角を知る」

方角を見失ったときに役立つのが、時計を使った方角の判別法だ。

このテクニックはコミックス16巻のエピソード『コナンvs怪盗キッド』で、怪盗キッドの予告状に隠された謎を解くために使われた。

方角を知るには、まず時計を地面と水平に固定。短針を太陽のある方向に向ければ、数字の12と短針とのちょうど真ん中が南を向く。

なお、この方法を使うには空に太陽が見えている必要があり、時計も文字盤があるアナログ式でなければならない。そして、日本をはじめ北半球限定の技でもある。

南半球にいる人は、時計から導かれる方角が真逆となることに注意しよう。

「青酸カリはアーモンド臭」には勘違いも

致死毒として有名な「青酸カリ」ことシアン化カリウム。「名探偵コナン」でも殺人の道具として何度も登場しているが、そのたびにアーモンド臭がすることが強調されていた。

そのため、読者の間でも「青酸カリはアーモンド臭」という知識が浸透。ただし、勘違いをして記憶されているケースもあるため、いくつか注意すべき点がある。

そもそも、青酸カリそのものは無臭である。

人間が飲み込み、胃酸と反応することで、初めてアーモンドのような香りのガスが発せられるのだ。

そのため作中では、被害者の口元に鼻をよせ、臭いを察知するシーンが描かれてきた。

またアーモンド臭というのは、食用に加工された種子を指す「アーモンド」の香りではない。

収穫前のアーモンドの花や実から香る、甘酸っぱい香りを意味している。

ちなみに、実際にはコナンのように被害者の口から漂う青酸カリを嗅ぐのは、かなり危険な行為とのこと。

胃酸と反応してできたガスも、濃度によっては殺傷力が高い可能性がある。

万が一、青酸カリの使用が疑われる事件に巻き込まれても、決して臭いを嗅いではいけない…。

死と隣合わせだからこそ、危険を回避するための知恵がいくつも散りばめられている「名探偵コナン」。犯罪のテクニック以外はぜひ身につけておきたいものだ。

文=野木
写真=まいじつエンタ