『名探偵コナン』で事件解決のためにコナンが発揮しているのは、推理力だけではない。危険から身を守ったり、謎を解いたりするために、いくつもの豆知識が披露されているのだ。
今回はその中でも、現実生活でタメになりそうな豆知識を3つピックアップしよう。
実用的?「ヘビに噛まれたら紅茶」
17巻に収録された『スキューバダイビング殺人事件』では、猛毒を持つエラブウミヘビを使った殺人未遂が行われた。
エラブウミヘビはハブの70倍以上の神経毒を持ち、一説によると死亡率が6割を超すほどの毒性だという。
そんな恐ろしいヘビに噛まれた被害者に対して、コナンが示した応急処置は、患部をきつく縛ったうえで、毒を口で吸い出し、アイスティーで傷口を洗うというもの。
毒を吸い出した口もアイスティーでゆすぐ必要があるという。
コナンによると、紅茶に含まれる「タンニン」が毒の成分を中和する効果を持つとのこと。
なお、タンニンは紅茶以外にも、コーヒーやワイン、渋柿などにも含まれている。
手近なものでできる応急処置だが、リスクが伴うことには注意が必要。
もしエラブウミヘビに噛まれることがあったとしたら、まずは専門家の指示を受けてほしい。
サバイバルで役立つ「時計で方角を知る」
方角を見失ったときに役立つのが、時計を使った方角の判別法だ。
このテクニックはコミックス16巻のエピソード『コナンvs怪盗キッド』で、怪盗キッドの予告状に隠された謎を解くために使われた。
方角を知るには、まず時計を地面と水平に固定。短針を太陽のある方向に向ければ、数字の12と短針とのちょうど真ん中が南を向く。
なお、この方法を使うには空に太陽が見えている必要があり、時計も文字盤があるアナログ式でなければならない。そして、日本をはじめ北半球限定の技でもある。
南半球にいる人は、時計から導かれる方角が真逆となることに注意しよう。
「青酸カリはアーモンド臭」には勘違いも
致死毒として有名な「青酸カリ」ことシアン化カリウム。「名探偵コナン」でも殺人の道具として何度も登場しているが、そのたびにアーモンド臭がすることが強調されていた。
そのため、読者の間でも「青酸カリはアーモンド臭」という知識が浸透。ただし、勘違いをして記憶されているケースもあるため、いくつか注意すべき点がある。
そもそも、青酸カリそのものは無臭である。
人間が飲み込み、胃酸と反応することで、初めてアーモンドのような香りのガスが発せられるのだ。
そのため作中では、被害者の口元に鼻をよせ、臭いを察知するシーンが描かれてきた。
またアーモンド臭というのは、食用に加工された種子を指す「アーモンド」の香りではない。
収穫前のアーモンドの花や実から香る、甘酸っぱい香りを意味している。
ちなみに、実際にはコナンのように被害者の口から漂う青酸カリを嗅ぐのは、かなり危険な行為とのこと。
胃酸と反応してできたガスも、濃度によっては殺傷力が高い可能性がある。
万が一、青酸カリの使用が疑われる事件に巻き込まれても、決して臭いを嗅いではいけない…。
死と隣合わせだからこそ、危険を回避するための知恵がいくつも散りばめられている「名探偵コナン」。犯罪のテクニック以外はぜひ身につけておきたいものだ。
文=野木
写真=まいじつエンタ