WBCに辞退者が続出するワケ 元代表候補が裏側を暴露「10球打てないよ」

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元千葉ロッテマリーンズで野球解説者の里崎智也氏が、1月16日に自身のYouTubeチャンネルへ動画を投稿。WBCの辞退者について持論を述べた。

3月開催のWBCをめぐっては、森友哉、坂本勇人、柳田悠岐など、過去に代表経験のある選手が次々辞退したとの報道が。

自身も09年のWBCを辞退した経験のある里崎氏は、こうした選手が相次ぐ理由について「行っても補欠だから」と解説する。

いわく、国際大会は時間や球場に制限があり、「レギュラーで出る人と試合出ない人の練習時間は1.5倍くらい違う」とのこと。

その実情を「シーズンに向けて調整しないといけない時に、試合も全く出ない、練習時間もほとんどない、大会終わったらいきなり開幕戦」と明かすと、「俺、五輪に行った時の練習時間、試合出ない組に入ると、3人で3分」「10球打てないよ。それで1日の練習終わり」と暴露した。

また、控え野手は打撃投手を行うこともあったといい、「完全にお手伝いさん代表になる」とも指摘。

「で、終わってすぐに開幕して、帰ったらレギュラー」「成績に給料が伴う」と、調整不足のままシーズンに臨む必要があるとして、「試合出られないんだったら行くのやめようかな(となる)」「行くか行かないかの決断をする選手は多いと思う」と述べた。

突き詰めると問題点は…

また、もう一点の理由としては、少人数の短期決戦のため、本業ではないポジションにつくこともあると指摘。これについて「ポジション変更すると、調整にめっちゃ時間かかる」など、その難しさを語った。

こうした真面目な解説に、コメント欄には

《個人の自由ってことかな》
《辞退者を責める必要はないし、出てくれる選手には感謝しかない》
《ワールドカップのようにシーズンよりも本気で国のためにやりたい!って思えるような大会になれば良いですね》
《里崎すげ~って久しぶりに思った》
《ワールドカップは視聴者の数が世界一だから、活躍すれば自分の市場価値が上がって、好条件の契約を勝ち取れる。でも、WBCは出ても価値が上がらない。この差だと思う》

など、さまざまな反応が寄せられた。だが、そもそもの根源的な理由には野球の価値があるとも…。

「結局、野球の人気が低いから辞退が相次ぐんですよ。サッカーのように国際大会に権威も人気もある競技なら、日の丸を背負う意義や重みを感じ、『声がかかっても断る』という発想にはならない。野球の世界大会に知名度も重みもないせいで『ま、出なくていっか』というマインドが蔓延するのです。

実際、サッカーワールドカップではWBCのように『シーズン優先』することなどありえないし、ケガ以外で辞退することはまずありません」(スポーツジャーナリスト)

こうして野球は衰退していくのか…。

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