日光さる軍団の炎上が『ウマ娘』に飛び火! 競馬は動物虐待の娯楽なのか

日光さる軍団の炎上が『ウマ娘』に飛び火! 競馬は動物虐待の娯楽なのか

日光さる軍団の炎上が『ウマ娘』に飛び火! 競馬は動物虐待の娯楽なのか (C)PIXTA

“おさるのエンターテインメント”でお馴染み、『日光さる軍団』に世間から厳しい目が向けられている。SNS上の投稿から、動物虐待が疑われてしまっているのだが、それをきっかけとして競馬業界にも炎上が飛び火しそうな気配だ。

動物をしつける行為にバッシング

「日光さる軍団」といえば、芸人が猿と協力して観客を楽しませる「猿まわし」の芸によって知られている。

しかし先日、その芸人が猿を調教している最中の動画が拡散され、暴力的に接している様子から《虐待ではないか》といった指摘が相次いでしまった。

激しい批判の声が集まる中、「日光さる軍団」は公式サイトで謝罪文を公表。芸人の行動は「弊社で指導している内容とは大きくかけ離れた行動になっていた」として、暴力的なトレーニングは決して推奨していなかったと釈明している。

しかし謝罪文が発表された後も、批判の声は鳴りやみそうにない。そもそも猿の調教が必要な「猿まわし」自体が、時代遅れではないか…という論調も生まれつつある。

さらにこの炎上は「猿まわし」だけでなく、他の動物を使ったエンターテインメントにも飛び火することに。とりわけ目立つのは、競馬における“馬の虐待”という論点だ。

SNSなどでは、《競馬のジョッキーが追い込みで馬のお尻を鞭で叩くのも動物虐待と言えないか?》《競馬では競馬場の観客やテレビで大勢の人が見てる前で馬を何十回もムチで打っている。それはどうなの?》《競馬とかサーカスとか鞭でペシペシしてるけどそれにはツッコまないのか?》《ど突き倒して馬を走らせる競馬もあかんやろ》といった指摘が殺到。

さらに踏み込んで、《人間の都合で無理やり減量や増量させられたり、人間の都合で品種改良させられたり、挙句の果てには鞭で打って無理やり走らされたり。JRAさん動物愛護的にどうなんですかね?》といった批判を行う人もいるようだ。

競馬は動物虐待を避けられるのか

競馬における虐待の可能性は、以前から度々議論されてきた。

まず目立つのは、レース中に騎手が行う「ムチ入れ」の是非だ。馬に飛び出しの合図を与えたり、進路をコントロールしたりと、いろいろな目的で使用されるのだが、動物愛護の観点から批判されることが多い。

競馬ファンの間では、「馬にとってムチは痛くない」という通説も存在するものの、競馬の総本山であるイギリスでは、ムチに関するルールが年々厳格化されている。

日本でもそれに遅れる形でルールの整備が行われており、衝撃が吸収される「パッド付きムチ」の義務化、ムチを連続使用できる回数の制限などが設けられてきた。

また、ムチ入れだけでなく、そもそも“競走馬の生産”自体を批判する人々も。実情は明らかになっていないが、競走馬として生きられなくなった廃用馬たちが、食用やペットの飼料として屠畜されているという説が根強く存在するのだ。

競馬界ではそうした環境を変えるためか、引退した競走馬を養うために助成金を出す「引退名馬繋養展示事業」という取り組みが存在するほか、JRAも「引退競走馬の養老・余生等を支援する事業」を継続的に行っている。

ここ数年、競走馬の人生をドラマチックに描いた『ウマ娘 プリティーダービー』の大ヒットによって、若い層にも競馬人気が広まりつつある。しかし実際には競馬という娯楽には、美談では済まない側面もあるのだろう。

「猿まわし」と同じく、いつか時代による審判を受ける日が来るかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部

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