不倫ドラマの“お約束”ナシ?『あなして』大ヒットも残る物足りなさ

奈緒 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

現在放送中の奈緒主演ドラマ『あなたがしてくれなくても』(フジテレビ系)が大ヒットを記録中。なぜ、ここまで上手くいったのだろうか。

主人公・吉野みち(奈緒)は、結婚して5年になる夫・陽一(永山瑛太)と仲は良いが、セックスレス。みちの上司・新名誠(岩田剛典)も、妻・楓(田中みな実)とのセックスレスに悩んでいることから、2人は徐々に心を通わせていく…。

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「同作はTVerお気に入り登録者数が今期ドラマ1位の139.4万人(6月9日時点)。見逃し配信の再生回数も、毎話400万回以上を記録。TVer上ではぶっちぎりの覇権ドラマです」(週刊誌記者)

世帯平均視聴率は、お茶の間で見づらい内容が影響してか、5%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をウロウロすることが多かったが、6月8日放送の第9話では、自己最高の6.1%をマークした。

「終盤になって自己最高視聴率を記録しているのは、今期ドラマでは『あなして』だけです。それだけ、視聴者の注目度が高く、口コミでどんどんファンを増やしていると言えるでしょう」(同・記者)

名物キャラがいない物足りなさ

それにしても、なぜここまでヒットすることができたのか。

「そもそも2014年の『昼顔』(フジテレビ系)以降、不倫ドラマはほぼ失敗知らずと言っていいほど、結果を残し続けています。『あなして』のヒットも、業界ではそれほど驚かれてはいません。

とはいえ、〝特大〟ヒットと言えるのは、数ある不倫ドラマの中で『昼顔』『ホリデイラブ』(テレビ朝日系)『あなたのことはそれほど』(TBS系)くらいでしょうか。『あなして』は最終回の出来次第で、これらの作品に並ぶかも…という感じ」(同)

ドラマを特大ヒットに結び付けるには、瑛太の演技がカギとなるそうだ。

「『昼顔』『ホリデイラブ』『あなたのことはそれほど』に共通しているのは、発狂する名物キャラがいたこと。『昼顔』では伊藤歩、『ホリデイラブ』では松本まりか、『あなそれ』では東出昌大がその役を担っていました。

ところが『あなして』にはそんな奇想天外なキャラがいません。〝サレた〟側が激怒するのではなく、自分に罪悪感を抱いてしまうストーリーなので、〝不倫からの発狂〟という黄金パターンが生まれないのです。

もちろん、そんなリアルさが『あなして』の大きな魅力なのですが、やはりドラマ視聴者は不倫で精神崩壊する様子が見たい。そして今現在、その可能性があるのはもう、瑛太演じる陽一だけなのです」(同)

次回は陽一と誠の直接対決がある。最後の大きな見せ場として、盛り上がることを期待したい。

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