無職のリュウ派? リア充のケン派?『ストリートファイター』シリーズ究極の選択

無職のリュウ派? リア充のケン派?『ストリートファイター』シリーズ究極の選択

無職のリュウ派? リア充のケン派?『ストリートファイター』シリーズ究極の選択 (C)PIXTA

『ストリートファイター』シリーズの永遠のライバルといえば、誰もがリュウとケンの名前を思い浮かべるだろう。

性能が似ていることもあり、よく比較される2人だが、果たしてどちらの方がより多くのファンに愛されているのだろうか。

社会的には弱者と強者…対称的な2人

元はといえばリュウが主人公、ケンが“2Pキャラ”という扱いから始まった2人だが、今ではそれぞれが強烈な個性を獲得している。

ケンは大企業『マスターズ財団』の御曹司という生まれで、その後は社長に就任。武者修行中に出会ったイライザという女性と結婚し、息子・メルを授かった。最新作『ストリートファイター6』では波乱があったようだが、作中でもっとも人生が充実していたキャラクターの1人だろう。

それに対してリュウは、強さを追及するストイックな格闘家。いつまでも破れた道着を着ながら世界中を放浪し続けており、住所不定の無職という扱いが定着している。

「ストリートファイター6」では、リュウが貧乏人だというイメージを覆すような描写があり話題を呼んだが、それでも世捨て人のような生活を送っていることは事実だ。さらに恋愛要素がほとんど見られないことも、ケンとの圧倒的な格差を感じさせる。

いずれも格闘家としては立派だが、家庭をもち、働きながら大成したケンの方が才能があるのではないか…と疑うファンも少なくない。

リュウvsケンの歴史

とはいえ格闘ゲームの登場人物である以上、やはり人気を左右するのはキャラクターの性能だ。これまでの歴史を振り返ると、2人は激しいデッドヒートを繰り広げてきた。

まず初代『ストリートファイターII』ではほとんど性能差がなかったが、シリーズを重ねるごとに、波動拳のリュウ、昇竜拳のケンといった方向で差別化されることに。そして『ストリートファイターIII 3rd STRIKE』で人気だったのは、圧倒的にケンだった。理由は単純で、キャラクター性能が高く、なおかつ使いやすかったからだ。

だが、その後リリースされた『ストリートファイターIV』ではリュウの方が強かったため、リュウが人気に。『ストリートファイターV』シリーズはリュウの調整が極端で、使う理由が見つからないくらい弱体化されたこともあったが、最終的にはどちらも一長一短あるキャラクターに収まっている。

また有名なプレイヤーがリュウとケンのどちらを使うのかも、重要な要素だ。たとえば『3rd』の頃には、格ゲー界のレジェンド・ウメハラ選手が“白ケン”で有名な逆転劇を演じたことで、それを真似するプレイヤーが続出した。

『ストリートファイター6』で今のところケンの人気が高いのも、ウメハラ選手がふたたび白ケンを使っていることが関係しているのかもしれない。先日大盛り上がりした『第1回 Crazy Raccoon Cup Street Fighter 6』(CRカップ)でも、ウメハラ選手が見事な結果を残したため、白ケンの人気にさらなる拍車がかかりそうだ。

片や財団の御曹司で妻子持ちのケン。片や格闘技に全てを捧げ、メールもひらがなというシンプルすぎる生き方のリュウ。どちらの男に憧れるか、今後さらに議論を呼ぶだろう。

文=大上賢一

【画像】

Yuri Arcurs Peopleimages / PIXTA