プロ野球オールスター戦“おふざけ連発”にシラケ…「祭りであって遊びじゃない」

(C)David Lee/Shutterstock

7月19・20日の2日間、プロ野球のオールスターゲームが開催された。毎年、選手の見せ場がさまざまにあるオールスターだが、今年話題を集めたのは第2戦だろう。

プレイボール後の初球、先発の広島東洋カープ・九里亜蓮は、オール・パシフィック1番のオリックス・バファローズ、杉本裕太郎へ背中に抜ける大暴投を投げる。

これに杉本は怒ってマウンドへ駆け寄り、九里も両手を広げて怒り返したが、直後にハグをして和解。どうやら、同級生の2人で画策したパフォーマンスだったようだ。

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いきなりの寸劇で幕を開けると、4回に登板した横浜DeNAベイスターズ、トレバー・バウアーも、また違ったファンサービスを披露。なんと、1球ごとに球種を予告し、打者にボールを明かした上で投球したのだ。

バウアーは18日に開催したファンクラブイベントで「球種をすべて打者に教えた上で三振を取りたい」と語っており、〝有言実行〟する形となった。

バウアーの登板ではさらに、捕手の読売ジャイアンツ・大城卓三がファウルフライをわざと落球するようなプレーも見せ、〝仕切り直し〟で北海道日本ハム・万波中正のホームランを引き出している。

“おふざけ”ではないかと賛否両論

こうしてまた、今回もさまざまなパフォーマンスが行われたオールスターゲームだが、ネット上には《ふざけるならオフのテレビ番組でやれ》《球種教えるなんて前代未聞じゃね?》《ふざけるならプレー中以外でふざけてほしい》《オールスターはお祭りであってお遊びではない》などの否定的な反応も噴出。

ファンサービスとはいえ、あまりにおふざけがすぎないかと、シラケてしまうファンも多かったようなのだ。

だが、こうした意見には《投票してるファンもふざけてるのでセーフ》《ガチなのは交流戦あるし別に良くね?》《おふざけの方が面白いわ》といった反論も多く、野球ファンの賛否は割れている。

「イチロー氏のワンポイント登板、阿部慎之助氏のモノマネ打法、中田翔と藤浪晋太郎の乱闘コントなど、オールスターではこれまでにもユーモアあふれるパフォーマンスが多く行われてきました。

しかし、九里と杉本の寸劇は中田・藤浪のパクリのようなものですし、〝寒い〟と感じるファンがいても仕方ないでしょう。バランスが取れていたのは、新庄剛志監督が現役時代に行ったホームスチールですね。

そもそも、かつては〝夢の球宴〟と言われましたが、近年はスター選手が小粒になっている上、セパ同士の対決は交流戦でも見られる。

おまけに、シーズン成績に反映される分、そちらの方が真剣勝負ですし、オールスターは存在価値自体が問われています」(週刊誌記者)

真剣勝負でも真面目すぎるが、行き過ぎたパフォーマンスもファンをシラケさせる。バランスが難しい問題だ。

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