甲子園“一カ月前倒し”案に現実味! 松井秀喜氏も苦言を呈した高校野球の異常性

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巨人やメジャーで活躍し、高校時代もスター選手だった松井秀喜氏の高校野球に関する提言が、野球ファンの間で大きな話題を集めている。

夏の甲子園こと全国高校野球選手権大会を控えた7月25日、松井氏はあるメディアの連載にて、大会の問題点を指摘。真夏の屋外球場で、炎天下の中、連日試合を行うと、未熟な高校生の体に負担がかかることは避けられないとした。

かつては連戦連投や酷暑の試合も当たり前だったが、松井氏は「気候や投手の肩・肘への負担の意識の変化もあって、今は当たり前ではない時代」と発言。これまで、多くの有望な投手がハードスケジュールや気候で故障してきたことにも触れ、その解決策として〝日程〟を挙げた。

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夏の甲子園の地方予選は7月開幕だが、松井氏はこれを「もし可能ならば6月から始めるとかできないか」と提案。

さらに、本選についても「前半・後半のような二部制にすれば負担は軽減されるのではと感じます」「夏休みいっぱいを使って、甲子園大会をやってもいいのではとも思います」と大胆な二部制を提言し、「高校生の体はまだ成長過程ですから、守ってあげないといけません」と語った。

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自身も甲子園のスターだった松井氏の発言とあって、これはネット上で大きな話題に。概ね肯定的な意見が多く、ファンも高校球児の体を心配していることが分かる。

「気象庁が2018年6月に公表した『ヒートアイランド監視報告2017』によると、過去100年で夏の気温は着実に上がっており、東京では3.2度も上昇。かつては大台だった30度が連日出ていることからも分かるように、日本の夏が年々暑くなっているのは統計的事実です。こうした環境の変化も加味すれば、これまで通りのレギュレーションではいけないのは明白でしょう」(週刊誌記者)

昨年のデータや今年の予選から、すでに今大会が〝悲劇〟になりそうな気配も漂っている。

「甲子園球場が位置する兵庫県西宮市は、熱中症警戒アラートで『激しい運動は中止』とする日が、昨年8月だけでなんと28日もありました。野球なんてやってはいけない中、球児が酷使されていたことが分かるでしょう。今年もすでに予選では体調不良が続出しており、7月26日の高校野球神奈川大会決勝では、気温35度を超える屋外で試合が行われ、大人である審判すら途中交代しました」(同・記者)

日程変更やドーム球場の使用は、今後、ますます議論が加速するだろう。ただ、球児自ら「倒れても投げたい」「甲子園に立ちたい」と感じる者も多く、なかなか難しい問題になりそうだ。

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