“ジャニーズ切り”ではない!? 聖域だった『VS魂』終了の苦しい理由

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来年3月で開局65周年を迎えるフジテレビが、お祝いどころではない未曾有の危機に瀕している。

「1982~93年、2004~10年の二度の長期にわたり、年間視聴率三冠を獲得していたフジテレビですが、今やその栄光は見る影もない。地デジ化以降、業績・視聴率ともに右肩下がりで、『笑っていいとも!』や『めちゃ×2イケてるッ!』などの長寿番組が続々終了。昨年には早期退職者を募ったことが話題となり、経営の苦しさを世に知らしめることとなりました」(芸能記者)

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コロナ禍以降、この厳しさはさらに増すことに。

「日本テレビメディア事業の2022年3月期売上高は、前期比3.4%増。TBSが同10.9%増、テレビ朝日が13.2%増といずれも上昇する中、フジテレビは前期比5.6%減と、民放キー局で唯一数字を落としています。

フジ・メディア・ホールディングス全体の売上高は1.0%アップしていますが、これは保有物件を売却し、不動産事業の売上高が前期比40%近く増加したため。もはや、主力産業は不動産であり、本業が何なのか分からない惨状となっています」(同・記者)

ただでさえ懐事情の厳しいフジテレビだが、なんとこの秋からは、それにさらなる拍車がかかるというのだ。

ジャニーズも対象の聖域なき大幅コストカット

「なんと上層部は、この秋から大幅なコストカットとして、番組予算の3~4割削減を命じたというのです。しかも対象は全番組で、ドラマもバラエティーも関係なく〝予算削減〟が至上命題に。これでは良質なコンテンツが作れないと、現場は悲鳴をあげ、制作班は頭を悩ませています」(同)

これを示す一端となっているのが、人気ジャニーズ番組の終了だ。

「先日、『嵐』相葉雅紀MCの『VS魂』が、今秋をもって終了することが決まりました。同番組は『嵐』の活動休止に伴って終了した『VS嵐』の後継で、活動再開後の〝帰る場所〟を守るという深い意味合いがあった。

数字もある程度は度外視だったはずですが、この意義の深い番組すら打ち切られるのであれば、予算削減は本当に聖域なき大ナタなのでしょう」(同)

「VS魂」は出演者が多い上、ガス噴射やガラス張りの防音ルームなど、現代のテレビ番組にしては豪華なセットが使われている。

また、最近ではロケに出向く企画がメインとなっており、スタジオでトークやネタ披露を行う番組に比べ、予算がかかっていることは明らかだ。

コストカットが上手くいけばいいが、「貧すれば鈍する」という言葉もある。諸刃の剣にならなければいいが…。

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