美少女ゲーム業界に激震!『CLANNAD』『ヘブバン』のビジュアルアーツが中国資本に

美少女ゲーム業界に激震!『CLANNAD』『ヘブバン』のビジュアルアーツが中国資本に

美少女ゲーム業界に激震!『CLANNAD』『ヘブバン』のビジュアルアーツが中国資本に (C)PIXTA

『Key』などのゲームブランドでお馴染みの株式会社ビジュアルアーツが、中国のゲーム会社・テンセントの100%出資子会社になる旨を発表。今後の美少女ゲーム業界はどうなっていくのか、不安視するファンも少なくないようだ。

今後のビジュアルアーツはどうなる?

ビジュアルアーツが抱えるゲームブランド『Key』といえば、『Kanon』や『AIR』、『CLANNAD』、『リトルバスターズ!』といった“泣きゲー”の名作を世に送り出してきた。また最近はスマートフォン向けゲーム『ヘブンバーンズレッド』も成功しており、美少女ゲームユーザー以外の新規層も開拓している。

一方でテンセントは、言わずと知れた世界最大級のゲーム会社。『League of Legends』や『VALORANT』で知られるRiot Gamesなども、今やテンセントの子会社だ。

発表によると、ビジュアルアーツはM&Aという形でテンセント傘下に入るのだが、やはりファンの懸念は「これまで通りの作品作りを続けられるのか」という点。代表取締役社長の馬場隆博氏が退任し、新体制となるとも発表されており、自分たちが愛したビジュアルアーツが変わってしまうとファンは不安と募らせている。

美少女ゲーム業界はもう限界?

とはいえ、馬場氏が公式サイト内のブログで語った内容によると、ビジュアルアーツは今後もこれまで通りにビジュアルノベルやアニメ、モバイルゲームなどを制作していくとのこと。今回の子会社化は馬場氏の勇退に向けた施策であり、「ビジュアルアーツはビジュアルアーツのまま」であることを強調していた。

ただ、最近の美少女ゲーム業界といえば、老舗ブランドの『戯画』や3Dゲームブランド『ILLUSION』などが相次いで活動を終了させている。ここ20~30年にわたって育ってきた日本の美少女ゲーム文化が、衰退の危機にあることは間違いない。

「最近のビジュアルアーツは、全年齢向けのゲームしか作っていませんでした。昨年には、成人向けゲーム事業をイープロダクト株式会社に移管しています。過去の馬場氏のインタビューなどを見ても、以前から美少女ゲーム業界にビジネスとしての限界を感じているようでした」(ゲーム誌ライター)

美少女ゲーム業界の衰退は今に始まったことではないが、その中でも注目を集めているブランドはいくつか存在する。

今年Steamで“ぬきたし”の海外版をリリースした『Qruppo』や、なぜか若い層に人気な『ゆずソフト』などがその筆頭だろうか。

いわゆる“ノベルゲー”と呼ばれるテキスト主体のゲームジャンル自体はまだ人気があるので、希望が潰えたわけではないのかもしれない。

日本のオタク文化を牽引してきた伝統芸能は、今後どのような形で生き残るのだろうか。 “令和の葉鍵”と呼ばれるようなブランドが出てくることを祈りたい。

文=「まいじつエンタ」編集部

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