日本ドラマ界に異変! 漫画原作が下火で“オリジナル脚本”に復活の兆し

真夏のシンデレラ 

真夏のシンデレラ 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

ドラマが漫画・小説原作ばかりになって久しい。この裏には、ある程度ヒットが見込まれる安パイに手を出さざるを得ないテレビ局の哀しい事情や、売れっ子脚本家の不足が指摘されてきた。だが、近年は徐々に事情が変わってきているという。

「今期のドラマでビデオリサーチ調べ・関東地区世帯平均視聴率トップ3は、『VIVANT』(TBS系)、『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系)、『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)の3作。『シッコウ!!』は元となった小説があり、『ハヤブサ消防団』は小説の実写化、『VIVANT』はオリジナル作品」(ドラマライター)

ただこの顔ぶれも、視聴率以外でのバロメーターであるTVerのお気に入り登録者数はやや変化する。

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「放送中のドラマでお気に入り登録トップ3は、『VIVANT』、『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)の3作。いずれも登録者数が100万を超えており、『VIVANT』を除いて視聴率トップ3と異なっています。そしてこの3作には、いずれも原作のないオリジナルドラマという共通点があります」(同・ライター)

ようやくドラマクリエイターが育ってきた?

対する今期の原作アリドラマは、『トリリオンゲーム』(TBS系)、『ばらかもん』(フジテレビ系)、『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)などなど。これらは僅差ではあるが、視聴率でもTVerのお気に入り登録者数でもトップ3に食い込んでいない。

ここから見えてくる傾向はー。

「池井戸潤の小説シリーズや漫画原作ドラマをはじめ、近年、人気作は多くが漫画・小説原作だった。一方、今期の人気ドラマは『VIVANT』、『最高の教師』、『真夏のシンデレラ』と、いずれも原作を持たないオリジナルドラマになっている。これは、ドラマ界が原作モノに頼らずとも、オリジナル脚本で勝負できるようになっている証拠。業界でも有望な作家が育ってきていると言っていいのでは」(同)

他方で、視聴率とネットの反響、どちらが真の人気かという問題は常に付きまとっている。

「SNSやTVerでの反響は、視聴率とは全く異なる指標。TVerお気に入り登録の多い『最高の教師』も『真夏のシンデレラ』も、視聴率は『トリリオンゲーム』とほぼ変わりません。

昨年、大きな話題になった『silent』(フジテレビ系)も、視聴率は同クールの『クロサギ』(TBS系)と変わらなかった。どちらに重きを置くかというのは、難しい問題になってきます」(芸能ライター)

ともあれ、一時は氷河期だったドラマ業界も、明るい兆しが見えてきたと言えるかもしれない。

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