ジャニーズ逆転復活が決定的に! 経団連の“声明”で国内企業も考えを改める? 国連も取引停止については「最後の手段」と位置づけ

左から、井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子氏、木目田裕弁護士 

左から、井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子氏、木目田裕弁護士  (C)まいじつ 

ジャニーズ事務所所属タレントへの広告起用に関し、経済3団体の両雄で真っ二つに意見が分かれている。

同問題をめぐっては、経済同友会の新浪剛史氏が、9月12日の定例会見で「ジャニーズ事務所を使うことは虐待を認めることになる」と発言。


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15日の『朝日新聞』インタビューでは、今後2~3カ月の間にジャニーズ事務所の体制に改善が見られなければ、所属タレント出演の番組スポンサー降板も「選択肢としてはあり得る」と強硬姿勢を示している。

一方、経団連の十倉雅和会長は、19日の記者会見で「これはある種の児童虐待です。犯罪行為であります。そういうことが許されることはあってはならない」としながらも、「タレントの人たちは、ある意味被害者であって、加害者ではありません」と発言。

「彼らが、日々研鑽を積んできた、その機会を長きにわたって奪うことは、それはそれで問題もある」と、タレント側が影響を受けることへの問題意識を示し、「タレントをどう救うかということは、もう少し皆で時間をかけて検討すべきだ」と述べた。

「大企業が核になる経団連に対し、同友会は経営者が個人資格で入会しており、同じ経済団体でも性格が異なる。

顕著なのは政治との距離で、加盟企業に呼びかける形で自民党の政治資金団体・国民政治協会へ年24億超の献金を行っている経団連に対し、同友会は『政治からの独立』を掲げ、終身幹事の品川正治氏は『企業献金は利益を得ようと思ってやれば贈賄だし、利益はないがカネを出したといえば背任になる』と語るなど批判的な立場です」(経済紙記者)

国連も慎重を求めている“取引停止”

各企業に起用NGを呼びかけた同友会と、タレントの救済も考慮するよう呼びかけた経団連。経済団体でも真っ二つに意見が分かれたが、各企業はどちらの判断に傾くこととなるのか。

「経団連は日本一の利益団体であり、代表は〝財界総理〟と言われ、政財界に強い影響力を誇る。一方、同友会は永遠の2番手であり、野球で言えばパ・リーグ、アメコミで言えばDCに過ぎない。

新浪氏は鼻息を荒くしているが、大企業を束ねる経団連の方が影響力は高く、各企業は経団連の指針に追従するでしょう。ジャニーズ側の対応を注視するとしていた企業も、ほとぼりが冷めたらまた起用するか、『アフラック』が検討しているように、タレント個人との契約に移っていくのでは」(ジャーナリスト)

ジャニーズ問題では国連の調査も話題になったが、その国連は人権デューデリジェンス(人権DD)なるガイドラインを策定している。

そこでは、取引先について、「人権への負の影響が生じている又は生じ得る場合、直ちにビジネス上の関係を停止するのではなく、まずは関係を維持しながら防止・軽減するよう努めるべき」「取引停止は人権への負の影響自体を解消するものではなく、むしろ、注視の目が行き届きにくくなったり、取引停止に伴い相手企業の経営状況が悪化して従業員の雇用が失われる可能性があり、人権への負の影響がさらに深刻になる可能性もある」として、「したがって、取引停止は、最後の手段として検討され、適切と考えられる場合に限って実施されるべきである」としている。

国際社会から見ても、同友会の主張はかなり過激なものと言えるだろう。

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