インボイス制度で国産アニメはどうなる? フジテレビとbilibiliのパートナーシップ合意で中国アニメが日本を席捲する可能性

 

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フジテレビが9月26日、動画やゲーム、ブログといったWEBコンテンツを手掛ける中国のエンターテインメント企業・bilibili社とのパートナーシップ合意を発表した。

公式会員だけで日本の人口を上回る1億9500万人の市場を見込み、コンテンツを販売していくという。


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また、フジ側もbilibili製作アニメの日本語吹き替えを放送予定で、両社で共同制作するアニメの放送・配信も計画。お互いの力で、巨大な中国市場の獲得を目指す方針だ。

このような日本企業の中国進出は、今では珍しくない。しかし一部の人たちが、業績不振のフジが中国企業と手を結んだとして大激怒。この提携にアレルギーを示す反応は多い。

「bilibiliには違法アップロードが横行していると指摘する声も多いですが、著作権侵害動画はYouTubeやXにも溢れてますよね…。なんなら、日本発のサービスであるニコニコ動画も、映画まるまる1本あがってることもある。それでもYouTubeやニコニコでコンテンツ配信している企業は多いわけで、bilibiliだけ問題視するのは政治的な意図があるとしか思えない」(ITアナリスト)

日本アニメがボロボロになる可能性も?

たしかに、グローバル社会において、日中の経済的な結びつきは強い。22年度の日中貿易総額は約55兆円にのぼり、中国と断交すれば、食品や雑貨、IT、アパレルとあらゆる産業に影響が出て、日本が逆に経済制裁を食らったように困窮するだろう。

さらに、最近の中国はスマホゲームやアニメに力を入れていて、日本へ〝逆輸入〟されて人気になっている。

「フジテレビは『鬼滅の刃』という非常に強力なアニメコンテンツを持っている。日本はインボイス制度の導入で、クリエーターの仕事や生活がガタガタになるとの見方も多く、アニメやゲームの覇権が中国に移る可能性は高い。フジはノイタミナという名作アニメを届けてきた枠を持っていますし、中国アニメが日本を席捲することもあり得るでしょう」(アニメライター)

現在のSNSで若年層の覇権を握っているTikTokも中国産である。これから国産のエンターテインメントは〝外部〟との繋がりが強くなっていくのだろうか。

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