【ラグビーW杯】アルゼンチン戦で高視聴率も…「リーグワン」が盛り上がらない背景

(C)Jacob Lund/ Shutterstock

「ラグビーW杯フランス大会」で、日本は第4戦でアルゼンチンと対戦し、27対39の敗戦。残念ながら1次リーグ突破はならなかったものの、平均視聴率21.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)という高視聴率を記録した。

「日本の試合は感動的だった。でも記者陣には多少モヤッと感も残りました。ひょっとしたら勝てたかな、とか」(スポーツ紙記者)

【関連】【ラグビーW杯】日本初戦、高視聴率の19.7%でバスケW杯に圧勝! 一方各国共通で不満になっている事案は… ほか

勝負ごとにタラレバは禁物だが…。

「これだけラグビーが盛り上がっているのに、日本にはプロラグビー選手を育てる発想がない。フランスをはじめオーストラリア、南アフリカなど多くの国にプロリーグが存在する。でも日本の場合、非常にあいまいな立場の選手ばかり」(前出・記者)

日本には「ジャパンラグビーリーグワン」という対抗リーグがある。

「簡単にいうとプロチームがなく、社会人チームの集合体。だから企業のラグビー部に所属する際に、社員として入るか選手契約するのか選択させられるそう。社員ならば練習、試合のないときは一般社員という風に働き、給料も普通の社員。ラグビーのみの人間は選手としての年俸契約。年俸は2000~3000万円だとされ、正直、セミプロ。厳しい待遇です」(同)

全選手のプロ化が消滅した背景

通称〝リーグワン〟は、2021年に発足。自動車会社、電器メーカーなどの日本の名だたる企業が参加している。

「世界的にサッカー人気は低下。バスケは人気拡大傾向です。とくにフランスではアフリカからサッカー少年を連れてきて、才能がないと切り捨てることが問題視された。ラグビー人気は上がる一方。そこで日本ラグビーも21年に全選手プロ化が検討されたのに、いつの間にか消滅。海外選手をプロとして入部させている」(同)

なぜこのような状態なのか。

「ラグビーは大学生スポーツというイメージが定着。早慶明を中心とした大学対決が話題になり、社会人は見向きもされない時期があった。そのトラウマが企業にあり、完全プロ化に踏み切れないのです」(スポーツライター)

さらに意外な話も浮上。

「プロ野球・日ハムの清宮幸太郎内野手の父親は、日本ラグビーフットボール協会の副会長。ラグビーのプロ化推進論者でしたが、断念した経緯もある」(前出・スポーツライター)

背景には、芳しくないJリーグ運営や女子サッカーのプロリーグ「WEリーグ」の失敗があるという。

「女子リーグは2020年に発足。今年〝観客200人〟というとんでもない数字を新聞に書かれた。ヘタすれば近い将来の消滅説も浮上。ラグビーはケガも多いので1チームで週1回程度しか試合はできない。集客も読めないし、人気にも疑心暗鬼な企業も多い。それがプロ化できない1番の理由です」(同・ライター)

だとしたら本当に残念過ぎる。

【あわせて読みたい】