伊東純也選手はなぜ「週刊新潮」を告訴しなかったのか?北村弁護士が解説する2つの理由「週刊誌側の勝ちということに…」

北村晴男弁護士は3月8日、自身のYouTubeチャンネル『弁護士北村晴男ちゃんねる』に新たな動画を投稿。サッカー日本代表・伊東純也が性加害疑惑の問題で、なぜ『週刊新潮』ではなく、被害を訴えた女性2人を告訴したのかについて解説した。

伊東が一連の性加害疑惑について事実無根と訴えるものの、被害を訴える女性2人が刑事告発に踏み切り、これに応じる形で伊東も女性2人に損害賠償を求めるなど、まさに“泥沼の争い”となっている。この伊東の告発について、ある視聴者から「松本(人志)さんの件と違い週刊誌ではなく女性側を訴えたのはどうしてでしょうか? 支払い能力的には週刊誌側を訴えた方が良さそうに思えるのですが……」という質問が寄せられたのに対し、北村弁護士は“女性2人を刑事告発に踏み切った理由”を2つ挙げた。

【関連】伊東純也の代理人弁護士、相手側女性2人に2億円超訴訟を起こした理由を告白「この1点に尽きる」性加害報道の行方は ほか

1つ目の理由として、仮に伊東の主張が正しかった場合、最も“悪質”と判断されるのが、週刊誌側ではなく、女性2人であることを挙げている。「報道機関は、伊東純也さんの件でいうと、少なくとも2人の女性から事情を聞いて、2人の女性がこう言ってるんだから本当だろうと考えて報じた、ということがあり得る。そうすると悪質性の観点でいえば、あくまで女性が嘘を言っていたと仮定すると、女性がものすごく悪質で、報道機関はそれを信じてしまった過失的なことになる」と北村氏は語る。

2つ目の理由としては、伊東が名誉棄損で週刊誌側を訴えた場合、記事の内容が真実だとはならなくても、裁判で負けてしまう可能性があるといった点を挙げている。北村氏は「名誉棄損訴訟をやった場合は、週刊誌側が書いた記事が本当であるということを立証しなければならないが、ただし立証できなかった場合でも、つまり記事の内容が本当だとまでは裁判所を説得できなかったとしても、こういう事情があるから本当だと信じたことについては相当な理由がある、だから違法ではない、だから週刊誌側の勝ちということになっちゃう。そういう可能性が十分ある」と指摘する。

動画へのコメント欄には「報道機関も重いペナルティを負う仕組みにしないと、こういう件は無くならないだろう」「北村先生のお話を聞くと、伊東側の弁護士はかなり優秀な立ち回りをしていると感じます」などの感想が寄せられている。

参考:YouTubeチャンネル『弁護士北村晴男ちゃんねる』

【あわせて読みたい】