北澤豪氏、W杯メンバー落選直後に乗ったタクシー運転手のデリカシーのない言葉に「逆にうれしかった」後輩・鈴木啓太に語る

元サッカー日本代表の北澤豪氏は、3月9日公開の鈴木啓太のYouTubeチャンネルの動画に出演。1998年フランスW杯直前で、メンバー落選した過去を振り返った。

フランスW杯に出場した日本代表の登録メンバー22人は、本番直前のフランス合宿に参加した25人から選出。当時代表を率いた岡田武史監督は、三浦知良氏と北澤豪氏、市川大祐氏の3名をメンバーから外すことを決断した。

北澤氏はメンバー決定の当日、「外されるメンバーを個人的に話をするから、それまで部屋で待機をしていてくれ」と言われて、午前中は部屋にいたという。そして、12時が近づいた頃、電話が来てメンバー決定の報告かと思い、岡田氏の部屋を訪れると、顔を見た瞬間、目が合わず「(外れるのは)俺だな」と確信したという。その瞬間を北沢氏は「眼鏡が違う方向を向いてました」と振り返る。

岡田氏からW杯で戦っていくなかで「北澤が立つポジションが無くなったから」と伝えられ、北澤氏は「(メンバー入りは)絶対に無いですか?」と尋ねると、岡田氏から「無い」と答えられ、「わかりました」と返事をしたとのこと。北澤氏は当時の心境を「悔しさは当然あるし、整理がつかない残念な感覚ではあるけど、アジア予選で途中、呼んだの岡田さんじゃん」と引っかかったという。北澤氏は1997年のアジア予選で、岡田監督に追加招集されていた。

その直後、北澤氏は新横浜からタクシーに乗った際、運転手から「北澤くんさ、あれはしょうがないよね。監督が決めるわけだから。外されることがあるのもスポーツの世界でしょ」とデリカシーのない言葉を投げかけられたとのこと。

鈴木氏は「それは腹が立ちますね」と返したが、北澤氏は「タクシーのおじさんまでがサッカーに関心を持って、当事者に意見を言ってくるって、海外みたいだなって」「逆にうれしかった。たかがスポーツの世界に社会が動いてさ、関心を持って“ああでもないこうでもない”なんて(昔は)なかったからさ」と語った。

この動画には「代表外された直後のタクシーの運ちゃんのキーちゃんの受け取り方、感想が素敵だった」「プロという世界がない中で、サッカーを本気でやってきて、Jリーグや子供たちの未来のレールを敷いてきた人の感じ方だ」といったコメントが寄せられた。

参考:YouTubeチャンネル『鈴木啓太 / Keita Suzuki』

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