
矢吹健太朗『あやトラ』とデビュー作がリンク? 24年の時を超えてクロスオーバー (C)PIXTA
お色気ラブコメ漫画『あやかしトライアングル』の最新話が、1月9日に『少年ジャンプ+』で配信された。作者・矢吹健太朗が24年前に発表した“連載デビュー作”との意外なつながりが判明し、ファンたちを驚かせている。
伝説の打ち切り漫画とのリンク
「あやかしトライアングル」は、妖(あやかし)の術で女の子に性転換した退魔師・風巻祭里と、幼馴染み・花奏すずによる、ちょっとユニークな恋物語。
最新話となる第116話『妖巫女の正体』では、その世界観のバックボーンとなる設定が明かされることに。
すずは幾度も転生を繰り返してきた「妖巫女」という存在なのだが、その起源は古代「邪馬台の国」の女王・壱与なのだという。
さらに、すずの命を狙っている「祓忍組合」の前身となる組織も、古代から存在したようだ。その名前が「陰陽連(いんようれん)」であることも、今回のエピソードで語られている。
▼今週のあやトラ▼
あやかしトライアングル第116話はジャンプ+にて本日配信!穢れの原因を知ったすずは…⁉︎https://t.co/vmJOroI1fX
(スタッフ) pic.twitter.com/370faI9LRc
— 矢吹健太朗 Info (@yabuki_info) January 8, 2023
ところで「壱与」と「陰陽連」といえば、矢吹作品のファンにはお馴染みのワード。連載デビュー作『邪馬台幻想記』のヒロインこそが壱与であり、そこでは敵勢力として陰陽連も登場していたのだ。
意外なクロスオーバーに、往年のファンからは《あやトラが邪馬台幻想記とつながった!?》《邪馬台幻想記、めっちゃ好きだったから嬉しい》《あやトラ読んでたらいきなり邪馬台幻想記につながって激アツなんだけど》《矢吹先生の本当に書きたかった漫画って、やっぱりあの打ち切り漫画だったんだ》といった歓声が巻き起こっている。
矢吹作品のオールスター集結!?
「邪馬台幻想記」は、倭国の統一を目指す女王・壱与と、彼女の護衛をすることになった少年・紫苑の物語。1998年から連載が始まったが、当時は軌道に乗せられず、18話で打ち切りとなった。
しかし今でもファンの多い作品なので、約24年の時を超えたクロスオーバーには大きな期待が寄せられているようだ。
ちなみに矢吹は昨年4月、ツイッター上で「邪馬台幻想記」の落書きイラストを投稿。その際に、「『あやかしトライアングル』を考え始めたキッカケとも言える一枚」と語っていたため、元々2つの作品にはリンクしている部分があったのだろう。
デビュー作「邪馬台幻想記」のラクガキを発見。
描いたのはダリフラの連載の後半くらいかな。
「あやかしトライアングル」を考え始めたキッカケとも言える一枚です😊 pic.twitter.com/GXIu7VBmTT— 矢吹健太朗 Info (@yabuki_info) April 10, 2022
なお、「あやトラ」では壱与だけでなく、シルエットで他のキャラも登場。「邪馬台幻想記」で陰陽連のメンバーだった紅真とシュラらしき影のほか、同じく矢吹の過去作『BLACK CAT』に登場したマロとシキらしき姿もあった。
そしてこれまでには、『To LOVEる -とらぶる-』のルン・エルシ・ジュエリアや結城才培の存在が描かれたことも。作家活動の集大成として、オールスター的な作品になっていくのかもしれない…。
文=野木
【画像】
Kostiantyn Postumitenko / PIXTA