『ヒロアカ』突然の連続休載! ジャンプ編集部の“酷使”に高まる読者の不信感

『ヒロアカ』突然の連続休載! ジャンプ編集部の“酷使”に高まる読者の不信感

『僕のヒーローアカデミア』36巻(堀越耕平/集英社)

『週刊少年ジャンプ』を担う看板漫画の1つ『僕のヒーローアカデミア』が、2週間連続で休載することが決定した。このところ不安定な連載の形態が続いており、読者たちは編集部への不信感をあらわにしているようだ。

【関連】ジャンプで3作品がネタ被り!? 西尾維新の新連載『暗号学園のいろは』を狙い撃ち ほか

ジャンプ編集部に抗議の声

2月6日に発売された「ジャンプ」10号では、「僕のヒーローアカデミア」が急遽休載となった。作者・堀越耕平の体調不良が原因とのことで、続く11号でも休載となることが決定している。

突然の休載発表の上、それが2週にわたって続くというイレギュラーな事態。その原因として、読者の間では「カラー原稿の負担が大きかった」という見方が強いようだ。

実際に、直前の9号では「僕のヒーローアカデミア」のセンターカラーが掲載されていたため、そこで無理をした結果が2週連続休載につながったのかもしれない。

また、4・5合併号では巻頭カラーを担当したのだが、その際も本編が9ページに減らされることになっていた。

さらに、2月3日に発売されたコミックス37巻では、堀越がカラー担当の裏話について明かしている。

2022年の「ジャンプ」44号でセンターカラーを任されるも、描く時間がなく、どこにも出すつもりがなかった絵で代替したそうで、やはりカラーが作家に与える負担は大きいのだろう。

こうした事態から、ジャンプ編集部に不信感を抱く人も多いようだ。ネット上では、《堀越先生が心配でアンケートにご意見記載してしまった》《どうかストップかける勇気を持って休ませてください》《集英社と編集部はもっと先生方を大切にしてあげて》といった声が続出している。

「ハンタ」や「ワートリ」の悲劇

そもそもジャンプ編集部では、人気作家を酷使した“前科”が少なくない。もっとも有名な例は、冨樫義博だろう。

『幽☆遊☆白書』の成功から始まる長年の画業で、持病の腰痛が悪化。『HUNTER×HUNTER』は年単位の長期休載を挟んだ上、完結を待たずして「ジャンプ」から去ることになりそうだ。

そして2010年代に同誌で看板級の人気を誇った『ワールドトリガー』も、多忙から作者の葦原大介が「頚椎症性神経根症」を患うことに。

約2年の長期休載を挟むも、週刊連載ができるまでには回復せず、最終的に月刊誌『ジャンプスクエア』へ移籍した。

現在、堀越の体調も万全ではないらしく、「ジャンプ」6・7合併号の巻末に書かれた作者コメントでは、肩の激痛を訴えている。

これ以上、同じ過ちによって作家生命が短くなる悲劇は見たくないが…。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『僕のヒーローアカデミア』36巻(堀越耕平/集英社)

【あわせて読みたい】