
「Unity税」に大荒れ! ゲームエンジン『Unity』方針転換でリセマラ文化も打撃を受ける可能性 (C)PIXTA
多くのゲーム開発者に使われている有名ゲームエンジン『Unity』(ユニティ)が、新たな料金モデルを施行することを発表。「Unity税」と揶揄されるその仕組みが、世界中のゲームに少なくない変化をもたらすのではないかと、業界関係者を震え上がらせている。
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有名ゲームエンジンが打ち出す方針転換
そもそもゲームエンジンとは、ゲームを開発する際のプラットフォームとなるソフトウェアであり、現代のゲーム制作にとって欠かせない存在。そのなかでも有名なのが「Unity」と『Unreal Engine』(アンリアルエンジン)」で、“二大ゲームエンジン”として知られている。
そんな「Unity」が先日、『Unity Runtime Fee』という利用料を導入する方針であることを発表。これは「Unity」を使用して作られたゲームが、ユーザーにインストールされるたびに料金が発生するというものだ。
この利用料は全員に課せられるわけではなく、収益やインストール数の条件に応じて審査される模様。導入開始は、2024 年 1 月 1 日を予定しているという。
「最近では大手ゲーム会社を中心として、自社でゲームエンジンを開発するところも増えていますが、まだまだ多くの会社が『Unity』を利用しているのが現状。とくにスマートフォンアプリでは標準的に使用されており、『ポケモンGO』から『ウマ娘 プリティーダービー』、『Fate/Grand Order』まで、多数の有名タイトルが該当します。
また予算が少ないインディーゲームの開発者にとっても、『Unity』は必須と言える存在なので、新たな仕組みの導入は多方面に影響を及ぼすことになりそうですね」(ゲームメディア関係者)
日本が誇るリセマラ文化にも影響大?
大手ゲーム会社からインディーズまで、大きな影響を与えそうな「Unity」の方針転換。さらに日本のゲームファンのあいだでは、意外な観点から心配の声が上がっている。それは“リセマラ文化”への影響だ。
「インストール数に応じて料金が発生する『Unity Runtime Fee』ですが、現在の方針では、ユーザーが一度ゲームを削除した後に再インストールすると、2回分の利用料が発生するとのこと。
日本のソシャゲは基本プレイ無料のものが多い上、最初に引いたガチャの内容が気に入らない際にアプリの再インストールを行う“リセマラ”が定着しています。そうなると、利用料だけがかさんでいくことになるため、ソシャゲ運営にとっては死活問題になるでしょう。
ソシャゲユーザーのなかには、『Unity税』の影響でゲーム内の課金価格が高騰するのではないか…と心配する声も上がっています」(同)
他方で、この件に関しては「Unity」を開発する『Unity Technologies』の幹部たちが、方針転換を発表する直前に株式を売却していたことが報じられており、「インサイダー取引ではないか」という疑惑も浮上している。
いろいろな意味でゲーム業界を揺るがす騒動になりそうだが、どんな決着を迎えるだろうか。
文=「まいじつエンタ」編集部
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