スクエニ超大作『FF16』海外で爆死の気配…“あの頃のFF”は中国ゲームが継承

スクエニ超大作『FF16』海外で爆死の気配…“あの頃のFF”は中国ゲームが継承

スクエニ超大作『FF16』海外で爆死の気配…“あの頃のFF”は中国ゲームが継承 (C)PIXTA

6月22日に発売が控えている、スクウェア・エニックスの大作RPG『ファイナルファンタジーXVI』(FF16)。各通販サイトの予約ランキングにも大きな動きが見られるものの、海外ゲーマーたちの反応はあまり芳しくないようだ。

国内ランキングでは順位が急上昇

発売日が約1カ月後に迫るなか、『Amazon』では予約数が急増しているのか、売れ筋ランキングにおける「FF16」の順位がこれまでになく好調となっている。

5月11日時点、ゲーム全体のランキングでは、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』関連の商品が上位を占めるなか、「FF16」が6位にランクインしていた。

その一方、アメリカの『Amazon』では日本ほど予約が伸びていないのか、Deluxe Editionが131位、通常版が172位という位置になっている。

また他の国の売れ筋ランキングでも、イギリスはDeluxe Editionが270位、通常版が1,350位、そしてドイツはDeluxe Editionが86位、通常版が783位という位置だ。

いずれの国でも「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム」の順位は好調なので、日本産のゲームに興味を持たれていないというわけでもないだろう。

今後、発売日までに予約数が伸びることを祈るばかりだが、そこで気がかりなのが『崩壊:スターレイル』の存在だ。

中国が継承した“あの頃のFF”の面白さ

日本産RPGの最先端である「FF16」と、中国のゲーム会社・miHoYoが開発した「崩壊:スターレイル」に一体何の関係があるのか、不思議に思われるかもしれない。しかし両作品の間には、ねじれた関係性が成立している。

「FF16」のゲームシステムは、シリーズ初の本格アクションRPGとなる予定だ。そうした方針について、プロデューサーの吉田直樹氏は海外メディアにて“ターン制RPGを知らない若い世代”を意識した結果だと語っていた。

いわば日本のゲーム文化がガラパゴス的に育んできたターン制コマンドバトルと決別するという選択だが、代わりにこれを受け継いだのが「崩壊:スターレイル」だ。

同作の制作陣は、いわゆるJRPGから大きな影響を受けたことを公言している。そしてそのゲームシステムにおいて、ターン制コマンドバトルを現代によみがえらせることに成功している。

また行動順の干渉に戦略性を持たせていることから、日本のゲーマーの間では「FF10」と似た戦闘システムだという指摘も少なくない。

さらにゲームシステムだけでなく、序盤の舞台となる「ベロブルグ」という世界は、明らかに「FF7」のミッドガルをオマージュしている。つまり「崩壊:スターレイル」は、2000年前後のFFシリーズを愛していた人々のために作られたような作品なのだ。

多額の制作費を費やして生み出された中国版のJRPGは世界にはばたき、リリースから1日で全世界2,000万ダウンロードを突破した。そんな状況のなかで発売される「FF」シリーズの最新作は、ファンたちの心を取り戻すことができるのだろうか。

文=大上賢一

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