弱者男性は主人公になれない時代!『ストリートファイター6』リュウがゲーム業界のリアルを反映

弱者男性は主人公になれない時代!『ストリートファイター6』リュウがゲーム業界のリアルを反映

弱者男性は主人公になれない時代!『ストリートファイター6』リュウがゲーム業界のリアルを反映 (C)PIXTA

意外とエリートが多い『ストリートファイター』シリーズにおいて、数少ない無職キャラとして長年イジられ続けてきたリュウ。しかし最新作『ストリートファイター 6』の中では、かなりのお金持ちであることが明らかとなった。

貧乏キャラ説を完全否定したリュウ

「ストリートファイター 6」では、あのアマゾン育ちのブランカですら、アドベンチャーツアーのガイドという立派な職に就いている設定。しかしリュウはだいぶ年老いてヒゲも生やしているにもかかわらず、相変わらずのフリーターだ。“俺より強い奴に会いに行く”ために世界をブラブラしているらしい。

しかし今作で実装されたワールドツアーモードのストーリーの中で、リュウが“ブラックカード”を所持していることが判明。どうやら各地で稼いだ大会賞金などのお金を貯め込んでいるようで、決まった職に就かなくても食べるのには困っていないようだ。

「リュウは以前から無職、もしくはフリーターであることがファンの間でネタにされてきました。やはりリュウといえば実直でストイックな正統派主人公というイメージなので、そんな彼のキャラクター性とのギャップが面白がられていたように思えます。実際にコミックなどのメディアミックス作品でも、よくリュウの貧乏ネタが描かれていましたからね」(ゲームライター)

そのため一部のファンは、リュウが金持ちだという設定に少なからずショックを受けているという。

さらに今作では春麗と買い物デートを行い、服を買ってもらう描写もあり、完全に“勝ち組”の設定だ。

格ゲー主人公には金持ちが多い?

とはいえ実際のところお金がなければ、世界中を飛び回って戦いに明け暮れる生活を送るのは困難だろう。そんなリアリズムを反映しているのか、格闘ゲームの主人公はお金持ちが多い傾向にある。

他作品で言えば、『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズの主人公・草薙京も草薙家の当主様。『鉄拳』シリーズの風間仁の一族も、紛れもない金持ちだった。

「以前、esports専門メディア『WELLPLAYED JOURNAL』のインタビューで、有名ゲームプレイヤーのちょもす氏も、プロゲーマーになるには家庭が裕福な方が有利だと語っていました。シビアな話ですが、やはり現実の世界でも“俺より強い奴に会いに行く”という生活を目指すには、ある程度の生活の余裕が必要なようです。そう考えるとリュウに金持ち設定が追加されたのは、現実に即しているのかもしれません」(同)

お金に困らなくなり、さらに強さの探求に専念できるようになったリュウ。逆に組織犯罪の首謀者という嫌疑をかけられたことで落ちぶれ、工事現場であくせく働くようになったライバルのケンは、リュウとの実力差がどんどん開いてしまいそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

master1305 / PIXTA