サッカー日本代表“アディダス枠”10番に異変!? 背景には電通の影響力低下が…

サッカー日本代表“アディダス枠”10番に異変!? 背景には電通の影響力低下が…

サッカー日本代表“アディダス枠”10番に異変!? 背景には電通の影響力低下が… (C)PIXTA

『キリンチャレンジカップ2023』の試合を控えたサッカー日本代表メンバーの背番号が、6月13日に発表された。そこでエースナンバーの“10番”に歴史的な変更があり、日本サッカー協会(JFA)とアディダス、電通の力関係が変わったというウワサが飛び交っている。

プーマ契約選手が日本代表の顔に

新たに発表された背番号は、3月に行われた『キリンチャレンジカップ2023』から大幅な変更が加わっている。

守護神の1番には、ポルトガル1部「ポルティモネンセ」で活躍するGK・中村航輔を選出。そのほかの注目選手では、プレミアリーグで日本人最多得点を達成した「ブライトン」の三笘薫が7番を背負うことになった。またラ・リーガで日本人のシーズン最多得点を更新する「レアル・ソシエダ」の久保建英は、20番を与えられている。

なかでもサッカーファンを驚かせたのが、10番として「SCフライブルク」の堂安律が選出されたことだ。

「日本代表の10番といえば、エースとして特別な意味をもつ数字。それ以上に、アディダスと契約した選手ばかりが選ばれる“アディダス枠”としても知られています。

カタール・ワールドカップの南野拓実はもちろん、それ以前には香川真司や中村俊輔といったアディダス契約選手が10番を背負ってきました。

ですが堂安はプーマと用具提供契約を結んでいる選手なので、異例中の異例。このまま次のワールドカップでも10番を背負うとすれば、2002年日韓ワールドカップの中山雅史以来、20数年ぶりの快挙となります」(スポーツ誌記者)

背景にあるのは電通との力関係

なぜ10番にアディダス契約選手が定着しているのか、その理由はJFAとスポンサー企業との関係性にあるという。

「1999年からJFAはアディダスとオフィシャルサプライヤー契約を結んでおり、ユニフォームの提供をはじめとした全面サポートを受けてきました。一時は縁が切れるというウワサもあったものの、結局契約を更新する形で合意しています。

そうした背景やユニフォーム売り上げの都合もあり、日本代表の10番は代々アディダス契約選手が背負うのが伝統。実際に2014年には、遠藤保仁選手が自身の背番号について、『協会とアディダスが決めているから何番でもよかった』とぶっちゃけていました」(同)

今回、日本代表に招集された選手では、久保がアディダスと契約しているため、10番の有力候補とされていた。しかしまさかのプーマ契約選手が選ばれることに…。

「意外な発表ですが、もしかするとスポンサーとの力関係が変わりつつあるのかもしれません。元々JFAは広告代理店の電通と深い関わりがあり、アディダスとの間の橋渡しも受けていました。

しかし東京オリンピック・パラリンピックに関する入札談合事件で大バッシングを浴びたこともあり、電通は表立ってスポンサー企業に力を行使することが難しくなっています。そうした内部事情もあり、“アディダス10番の伝統”という縛りが弱くなっているのではないでしょうか」(同)

とはいえ、今後のワールドカップ予選などでふたたびメンバーが変更される可能性もある。背番号の伝統に変化があるのかどうか、日本代表の活躍と共に見守っていきたい。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

ryanking999 / PIXTA