藤井聡太“八冠制覇”へ不安要素? 唯一負ける可能性があるとすれば…

藤井聡太 

藤井聡太 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

8タイトルの全冠制覇を目指す将棋の藤井聡太七冠が、王座戦決勝トーナメント準決勝で羽生善治九段に快勝し、残り1つのタイトル・王座戦の挑戦者決定戦に進出した。

今年度も相変わらず好調で視界良好に見えるが、不安要素もゼロではないようだ。

7月3日に王座戦決勝トーナメント準決勝のもう一局があり、豊島将之九段が渡辺明九段に勝利。藤井七冠、豊島九段が永瀬拓矢王座への挑戦を懸けて一発勝負に臨む。

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豊島-渡辺戦だが、最近では珍しく相横歩取りという難解な戦型となった。羽生九段が全冠(当時は7タイトル)制覇した20年ほど前に流行した戦型だ。

後手番の渡辺九段がある程度誘導した形。藤井七冠がいなければ、今でもタイトル保持者であっただろう2人が、相横歩取りから定跡型ではない力戦を戦うとは驚きだ。

豊島将之九段がアッと驚く秘策投入か?

「トップ棋士はもちろんAI(人工知能)を用いて研究するが、一方で相手の得意型に持ち込まれるのを嫌って別の戦型に誘導できないか常に模索している。

藤井七冠の得意戦法は、相掛かりや角換わりだが、豊島九段は挑戦者決定戦でも秘策を用意していつもの形を避けるのでは。その形もいずれ研究されることにはなるのだが、少なくとも一発勝負で奇をてらった策を用いる可能性は十分」(週刊誌記者)

その証拠に豊島九段、6月2日の同トーナメント1回戦の本田奎五段戦では、三間飛車穴熊を採用して周囲をアッと言わせた。

一方、藤井七冠は、2回戦で先手番の村田顕弘六段に独自の「村田システム」を採用され苦戦。大逆転勝ちを収めたが最終盤まで必敗だった。

「三間飛車は振り飛車の一種で、振り飛車は全般的な傾向として研究が進んでいない。振り飛車一辺倒の菅井竜也八段を除けば、藤井七冠を含めトップ棋士はおおむね居飛車党で、振り飛車党の棋士はほぼいない。豊島九段は虚を突いて快勝した。

王座戦の挑戦者決定戦は、対局開始直前に先手、後手が決まる。お互いに先手番用、後手番用の作戦を用意するが、特にやや勝率が低いとされる後手番になった際に、豊島九段がどのような作戦を持ってくるのか見もの。再び見る者を驚かせるかもしれない」(同・記者)

対局日は4日午前現在未定だが、大きな注目を集めることになりそうだ。

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