【推しの子】は社会現象じゃなかった? ブームが去った『鬼滅の刃』にBD売上で惨敗

【推しの子】は社会現象じゃなかった? ブームが去った『鬼滅の刃』にBD売上で惨敗

【推しの子】は社会現象じゃなかった? ブームが去った『鬼滅の刃』にBD売上で惨敗 (C)PIXTA

2023年を代表する大ヒットアニメとして、各所で取り沙汰されている『【推しの子】』。しかし6月28日に発売された同作のBD・DVD第1巻は、そんなネット上の盛り上がりとは裏腹に、“1万枚以下”の売上を記録してしまった。

ブームが過ぎ去った『鬼滅の刃』にも敗北

オリコンが発表した7月10日付けの「週間Blu-rayランキング」によると、「推しの子」は初登場で5位を獲得し、推定売上枚数は7,146枚。また「週間DVDランキング」でも初登場8位となり、推定売上枚数は1,245枚となっている。

BD・DVDを合計する8,391枚で、初週売上は1万枚以下となった。

「第1話からツイッタートレンド1位を獲得したり、YOASOBIが担当したOP主題歌『アイドル』のMVが1億回再生を超えたりと、世間では『推しの子』が何かと話題を呼んでいます。当然、パッケージソフトも爆発的なヒットを記録するものと思われていましたが、意外な結果となりましたね。

同じ2023年の春アニメでいうと、今のところ『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』がトップの売上で、第1巻の初動が約1万3,300枚を記録していました。すでに鬼滅ブームは終わりつつあるのか、これまで放送されたエピソードと比べて大分枚数が落ちていますが、『推しの子』は、それ以下の数字です」(アニメライター)

「推しの子」のヒットを確信していたアニメファンからは、《鬼滅に負けたのか。というか1万すらいかなかったのか》《円盤の時代ではないとはいえ、あれだけやって1万すらいかないって悲しすぎる》といった落胆の反応も相次いでいる。

「リコリコ」「ぼざろ」に負けた「推しの子」

「ひと昔前には、アニメの人気を図る指標としてパッケージソフトの売上が参考にされていましたが、最近では時代が変わりつつあります。ほとんどの人はアニメをNetflixなどのストリーミングサービスで視聴するため、パッケージソフトは時代遅れという風潮があるんですね。

そう考えると『推しの子』が意外に売れていないのも、仕方ないのかもしれません。とはいえ、売れる作品はしっかり数字を出しているのも事実ですが…」(同)

実際に昨年夏の覇権アニメだった『リコリス・リコイル』は、このご時世に第1巻の初動売上が2万3,000枚を突破していた。BDだけでも約2.1万枚を記録し、TVアニメジャンルの初週売上として、2022年度の最高記録を達成したほどだ。

続く昨年秋放送のアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』も、第1巻の初動が1万6,793枚と1万越えを達成している。

「『リコリコ』『ぼざろ』の売上は、パッケージソフトを手元に置いておきたいという熱烈なファンが多かったことを意味しているのかもしれません。逆に『推しの子』は、ブームに乗って楽しんでいるライト層が多いのはないでしょうか」(同)

ちなみに同時期に“覇権”扱いされていた『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の第1巻初動売上は5,293枚、2週目も7,871枚と微妙な数字だった。いくらネット上で話題になっている作品でも、ファンの熱量次第で“意外と売れない枠”になってしまうのかもしれない。

文=「まいじつエンタ」編集部

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