神田伯山、講談界の展望を語る「若者に向けた漫画を作れば…」

神田伯山(C)まいじつ

大人気講談師・神田伯山が7月25日、都内で開催された新著『講談放浪記』(講談社)の新刊発売記念記者会見に登場。講談への貢献度を自ら語った。

伯山はラジオパーソナリティーやユーチューバーとして広く活躍。2020年2月に講談の大名跡である神田伯山を6代目として襲名し、独演会では定員数百人の会場を満員にする新鋭の講談師なのはご存じの方も多いだろう。

新著「講談放浪記」は、芸談の裏テーマが詰まっている本。「講談の舞台を訪ねる」「来るべき講釈場のために」の二部で構成されている同書について伯山は「いつか『こういう本を出さなきゃいけない本』のひとつができたなという感じ」と笑顔を見せた。

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講談の状況について、自身が入った時と現状について聞かれると、「(自分の)貢献度は絶大。運が巡ってやらないといけないことをやっているが、私の弟子たちも同じように育ってくれれば。各々の役割をちゃんと果たさないと」と述べた。

講談師が目指すべきところとは?

書籍について、大変だったエピソードを問われると、「現地に行くのが大変だった。文章は九龍ジョーさんの聞き書きで、僕はしゃべっているだけでしたが…。本来、講談社さんは、大日本雄弁会講談社という講談の速記を扱っていた会社。講談師のしゃべったことを活字にして売っている。そういう意味では講談社の初期の形式を取っている本」と明かした。

講談界全体については、「圧倒的に人数が少ない。100人に対して古典講談は4500席以上あるが、おなじみのレパートリーで言うと200、300ぐらいしかない。流れを変えたいけれど、人数が足りないのでできない。ネタの洗練も弱い。まず人数を増やし、聞いて頂くお客様を増やすことが大事」と語った。

最後に、若者人気の獲得について、「講談に興味がない人に向けて、講談師が主人公の漫画を作れば、爆発的にヒットするかも。弟子がスターになれば。道に種をまいて、なにかの突破口を開いて。狙ってもいけないので、自分のやれることをやれれば」と意気込みを述べた。

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