『VIVANT』女性の描き方に違和感…時代錯誤の演出にイラッ

堺雅人 

堺雅人 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

手に汗握る展開で好評の日曜劇場『VIVANT』(TBS系)第4話が、8月6日に放送された。回を追うごとに考察が白熱しているが、視聴者から不評を買っている演出もある。それは女性の描き方だ。

ドラマは、130億円の誤送金事件をきっかけに、大手商社の社員・乃木憂助(堺雅人)が大事件に巻き込まれていく物語。彼がバルカ共和国で起きた爆破事件の容疑者として地元の警察官から追われる身となった際は、公安の刑事・野崎守(阿部寛)や医師の柚木薫(二階堂ふみ)とともに逃亡劇を繰り広げた。

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大規模な演出はおおむね好評なのだが、初回から女性の描き方が古臭かったように思える。

第1話から登場しているバルカの少女・ジャミーン(ナンディン-エルデネ・ホンゴルズラ)は、心臓の病気を患っている。バルカの病院では治療が困難だと知った柚木は日本でジャミーンの手術ができるように申請していた。

しかし、そんな柚木も乃木たちの逃亡劇で足を引っ張る役だ。第3話で一行が砂漠を横断中、柚木がラクダから落っこちて行方不明に。そのため予定よりも目的地へ到着したのが遅くなったうえ、救出へ向かった乃木も自分の身を危険に晒すハメになった。

そして第4話でも、拉致監禁された太田梨歩(飯沼愛)が野崎たち公安によって助け出されていた。「VIVANT」で女性は〝守られる立場〟として描かれることが多いのだ。

「日曜劇場は幅広い視聴者層をターゲットにしているため、ある程度古臭くなってしまうのは仕方ないことなのかもしれません。しかし、これ以上時代錯誤な描き方を続けると、視聴者離れの要因になってしまう可能性もありえます」(ドラマライター)

無駄な恋愛要素にも違和感

加えて、恋愛要素を無理やり入れ込もうとする点にも視聴者は違和感を抱いている。

日本へ帰還した第3話では、乃木が柚木に好意を寄せているような恋愛描写が見受けられた。柚木が野崎の連絡先を知りたがった際、乃木が嫉妬するかのような素振りを見せ、彼のもう一つの人格「F」から「そんな女(柚木)に惚れる気持ちはわかる」と話しかけられていた。

「アドベンチャーに振り切ったストーリーを展開していただけに、急な恋愛要素に戸惑った人も多い。そもそも演者である堺と二階堂には、およそ20歳もの歳の差がありますからね。また第4話では、長野利彦(小日向文世)と太田が不倫関係であったと述べられていました。

小日向と飯沼の実年齢はおよそ50歳差。年齢差恋愛は今どき珍しくありませんが、恋愛ドラマではない作品に、わざわざこの要素を取り入れる必要があるようには思えません」(同・ライター)

誤送金事件が完結し、物語にひと区切りついた今、改めて女性の描き方や無駄な演出を見直すべきなのかもしれない。

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