「ルーシー・ブラックマン事件」に世界が注目 日本で発生した凄惨な連続殺人事件

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Netflixで配信中のドキュメンタリー作品『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』が、異例の世界的ヒットを記録している。

同作は、2000年7月に神奈川県三浦市でイギリス人女性ルーシー・ブラックマンさんが死亡した事件の内幕を描いたドキュメンタリー作品。

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7月26日に配信がスタートし、世界50カ所の国と地域でTOP10入り。イギリス、オランダなど12カ国で3位以内にランクインした。

日本人監督のドキュメンタリー作品が世界的ヒットになるのは異例で、世界的な評価が高まっている。

事件の犯人は、10人の女性に性的暴行をくわえ、外国人女性2人を死亡させたとして起訴され、2010年12月に無期懲役が確定している。

この事件は、日本犯罪史上もっとも猟奇的な性犯罪事件といわれているが、実は大昔に身の毛がよだつような残虐事件が発生したのをご存じだろうか。

1922年から1923年にかけて27人の少女を暴行し、その内の6人を殺害したとされる「吹上佐太郎事件」だ。

日本列島を震撼させた「吹上佐太郎事件」

「吹上佐太郎は1906年、11歳の少女を殺害し、無期懲役の判決を受けましたが、明治天皇崩御と大正天皇即位の恩赦により、懲役15年に減刑。34歳の時、野に放たれることになりました。

その後は、関東を中心に長野や福島、秋田などの各県で暴行をかさね、6人を殺害。13人の殺害を自供しましたが、この人数に関して、刑事に騙されたと述べています。

当時はDNA検査や、防犯カメラがないため、なかなか事件が発覚しなかったのでしょう」(犯罪ジャーナリスト)

日本の連続暴行殺人犯といえば、戦後の混乱期に10人の女性を殺害したとして起訴された小平義雄や、わずか41日間に8人の女性を殺害した大久保清が有名。しかし、被害者数でいえば、吹上佐太郎が断トツだろう。

吹上佐太郎は警察の取り調べに対し、「殺すか殺さないかの分かれ目は、相手が自分の言うままになって楽しませてくれるかどうか」など、身勝手な発言を残している。

『警視庁捜査一課 ルーシー・ブラックマン事件』は、性犯罪立件の難しさを視聴者に問う作品でもある。当時も大きな話題になったが、20年以上の時を経て、改めて世界に衝撃が走ったようだ。

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