ジャニーズ・吉本芸人を報道番組から排除の流れへ ジャニー喜多川氏の性加害問題で業界構造は変わるのか

ジャニーズ事務所

(C)yu_photo / Shutterstock

前社長・ジャニー喜多川氏の性加害問題をめぐり、日本の報道番組が抜本的に変わりそうだ。

8月29日、事務所が設置した外部専門家による再発防止特別チームが、一連の事件に関する調査報告書を公表。内容はいずれも厳しいもので、取引先という利害関係にあることから、性加害について報道してこなかったメディアの責任も問われた。

これを受け、「メディアも共犯」との議論が加速。中でも、東山紀之や櫻井翔をキャスターとして起用する番組には、厳しい非難が集まっている。

【関連】ジャニーズ性加害問題で元『SMAP』マネージャー・飯島三智氏へも聞き取り調査!? 元・事務所幹部として問われる責任の行方 ほか

その反発から、今後、各局がジャニーズタレントのキャスターやコメンテーター起用に及び腰になるのは必至だろう。さらに、報告書が「報道全体」を主語にしたため、この動きは他事務所にも広がるという。

「各局では現在、利害関係者であるタレントをキャスター・コメンテーターに起用すること自体、不適当ではないかとの議論が広がっています。

ジャニーズのみならず、『南海キャンディーズ』山里亮太や『ハリセンボン』近藤春菜など吉本芸人もキャスターは多いが、吉本興業は在阪・在京キー局の株主だと闇営業騒動の時に暴露されている。これでは吉本に忖度した報道姿勢になるのは無理もなく、公正中立などあったものではない。

同様の理由で、橋下徹を出しているのも問題。現在こそ無関係ですが、昨年4月まで大阪維新の会の法律顧問をしていた利害関係者で、維新関係のニュースを追及できていませんでした」(フリージャーナリスト)

闇営業芸人も兼近大樹も追及しない報道番組

2019年の闇営業騒動の際、近藤はMCを務めていた『スッキリ』(日本テレビ系)で、「本当にお世話になっている先輩方ですし、番組で後輩の私がこうやってコメントすることに申し訳なく思う方々だと思っています」と涙ながらにコメント。

反社会的勢力・詐欺グループとのつながりがあった元『雨上がり決死隊』宮迫博之らを、〝お世話になってる先輩〟との理由で擁護している。

『めざまし8』(フジテレビ系)コメンテーターの『EXIT』兼近大樹も、大アマな扱いで物議を醸した。

兼近は過去に窃盗事件への関与で逮捕された前科があるが、当時共犯として逮捕されていたのが、強盗殺人で世間を賑わせた国際犯罪組織のリーダー〝ルフィ〟だったと判明。

これについて、「めざまし8」で「加害者がどうしてそういうことをしてしまうのか」「お金が理由なのか。孤独を抱えてるとか。家庭環境でそうなってしまったのか。そうなる前に我々社会全体で教育だとか目を向けていくことがすごく大事だと思います」と〝加害者にも理由がある〟論を展開している。

しかし、MCの谷原章介は「これからも見つめ続け、考え続けて行きましょう」と大アマコメント。死者が出た事件の指示役と面識がある兼近に、深く追及しなかった。

「ジャニーズにしろ、吉本にしろ、利害関係者が出演していると、不祥事があっても批判しづらくなるもの。しかし、こうした場合でも切り込むのが報道の役割ですから、今回の性加害問題を機に、タレントを報道番組に起用する流れは終わっていくでしょう」(芸能ライター)

ようやく業界に自浄作用が働こうとしている。

【あわせて読みたい】