フジテレビが日本テレビから視聴者を総取り!? 向井理『パリピ孔明』秋ドラマ一番乗りスタートで見えてくる局の戦略

画/彩賀ゆう

画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

9月27日より、秋クールドラマ『パリピ孔明』(フジテレビ系)の放送がスタートした。他の秋ドラマと比べてやたらと早い放送スタートには、フジテレビなりの戦略があるようだ。

中国三国時代の天才軍師・諸葛孔明(向井理)が、現代の渋谷に若かりし姿で転生。歌手を目指す月見英子(上白石萌歌)のために、魔法のような作戦を考えては、彼女の前に立ちはだかる壁を軍師のごとく切り崩し、成功に導いていくサクセスストーリーだ。

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「原作は、累計発行部数160万部を突破した『ヤングマガジン』で連載中の大人気コミック。実写化ということで放送前から話題を呼んでいましたが、初回の世帯平均視聴率は6.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。

フジは世帯平均視聴率を狙う番組作りをやめたとの報道もありましたが、それでも低めの数字になってしまいましたね。夏ドラマが終わってひと段落した後、視聴者がドラマ欲に飢え始めた頃に一番乗りで放送してこの数字なので、なかなか厳しい」(芸能記者)

日テレドラマよりも3週も早くスタートしたワケ

しかしフジテレビの戦略としては、このタイミングでの放送は絶妙だったという。

「『パリピ孔明』が放送されている水曜22時は、裏で日本テレビの水曜ドラマが放送されている。現在、プライム帯で民放ドラマが同時に放送されている唯一の時間帯が、水曜22時なので、テレビ局としては絶対に勝利したいところ。

そうなってくると、早めに放送をスタートすることで、先に視聴者を囲い、視聴習慣をつけさせることが何よりも大事になる。ドラマがある程度軌道にのってしまえば、日テレ水曜ドラマが参入する隙がなくなりますからね」(同・記者)

日テレでは、10月18日より小池栄子主演の『コタツがない家』を放送予定。『パリピ孔明』より3週遅れでのスタートだ。

「もともと水曜22時枠は日テレが長年ドラマを放送しており、フジテレビが2022年1月より参入した。そのためか、ドラマ枠を開設したばかりは、視聴習慣がある日テレに視聴者を取られて、壊滅的な数字を連発していました。

ところが1年半くらい地道に続けたことで、ついに日テレドラマに対抗できるようになった。フジテレビはここにきて本格的に日テレから客を総取りしようと、異例の速さでの放送スタートという戦略に打って出たのでしょう」(同)

フジテレビドラマはもともと、他の民放ドラマよりも1話多い、全11話編成。夏ドラマ『ばらかもん』が終わった直後に、間を開けずに翌週に新ドラマ『パリピ孔明』を放送させることも、水曜22時=フジテレビドラマにしたい意向があるようだ。

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