小泉今日子「バラエティはくだらない」発言を元放送作家が考察。テレビ離れを加速させた「小さな嘘の積み重ね」

元放送作家の長谷川良品氏が2月4日、YouTubeに動画を投稿。女優の小泉今日子さんが昨今のバラエティ番組を批判したことを取り上げ「小さな嘘がテレビ離れを加速させている」と、テレビ業界のあり方に疑問を呈した。

小泉さんは『文藝春秋』の対談で、昨今のバラエティ番組について「絶対出たくないですね」「くだらないから」と発言。その後、小泉さんはラジオ番組で、「アップデートができていない」とその真意について明かし、一例として、バラエティ番組の芸能人がクイズに正解して高級肉がプレゼントされる企画を「くだらない」を語った。

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この例を受けて、長谷川氏は今のバラエティ番組には「庶民感覚泥棒」という弊害があると語った。「芸能人という少なくとも庶民とは駆け離れた恵まれた生活をしている富裕層が、高級なお肉をプレゼントされ大喜びしたとして、視聴者からすると『そこまで喜ぶか?』という疑問が生じる」と、リアクションに違和感が生まれていると指摘した。

全ての芸能人のリアクションがうそだと断定しているわけではないとしながらも「仮に本当に喜んでいたとしても、そのリアクションが過剰であればあるほど、視聴者にとってみれば『いや、そんなわけないだろう』という矛盾」を感じるとした。そして「庶民感覚のかけらもないくせに、やたら庶民ヅラするなよという嫌悪」が生じているとし、視聴者の悪意が演者に向けられる危険な構造であると語った。

また、いわゆる一発屋芸人が過去の最高月収を紹介し、大物司会者が驚く演出にも矛盾があると指摘。「お宅拝見企画」についても、豪華な部屋に住んでいるであろう大御所タレントが「“すげえ”などと過剰に驚いてみせる」ことに「違和感しかありません」と語った。また、罰ゲームとしての自腹企画についても、実際は芸能人が支払いをしていたとしても「どうせ制作費から補填されているんだろうという疑いが生じている」と断じた。

長谷川氏は「“テレビ的には正解”のリアクションを取れば取るほど視聴者の疑問しか生まない」と懸念。矛盾を抱える企画が多いことに「何の疑いも持たないテレビマンの姿勢には疑問しか感じません」と断罪する。長谷川氏はこれらの演出を「小さな嘘の積み重ね」と表現し「テレビ離れを加速させている一因になっている」と現状を嘆いた。

参考:YouTubeチャンネル「長谷川良品『テレビ悲報ch』」

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