吉村洋文府知事、大阪万博の2億円トイレ問題を説明も賛否「若手建築家の小さなパビリオンと捉えています」

吉村洋文大阪府知事が2月21日、自身のX(旧Twitter)を更新。大阪・関西万博のトイレの一部について2億円かかると指摘されている件を説明した。

(C) Aleksandra Tokarz / Shutterstock

2025年に開催される大阪・関西万博で、40カ所の公衆トイレのうち8カ所に、若手建築家が設計するデザイナーズトイレが設置される予定で、その設備費用がそれぞれ約2億円になるという。会場建設費が、当初の約2倍となる2350億円まで膨らんでいることもあり賛否の声があがっている。“ひろゆき”こと西村博之氏は自身のXに20日、「大阪万博の仮設トイレは、便器一個400万円で2億円。大阪万博延期して、北陸の復興にお金使った方がよくない?」と投稿し疑問を呈していた。

この問題に吉村知事はXで、「万博トイレ2億円!について説明します」と書き出し、「まず小さいトイレでなく大規模トイレです。2箇所あり、平米単価は77万円と64万円です。建設物価調査会の調査では21〜22年の公共トイレ施設の平米単価は98万円です。このトイレは若手建築家256点の中から公募で選ばれました。若手建築家が魂を込めたトイレです」と説明。続けて「万博トイレに挑戦する若手建築家が取材されています」と、若手建築家が取材されたNHKの記事とともに投稿。

この投稿に、元大阪市長で弁護士の橋下徹氏がXで反応。「万博トイレが6ヶ月で廃棄するなら、一般の公衆トイレと単価比較するとコスト的には圧倒的に高くなってしまう。コスト論ではなく意義を!」と吉村知事に投げかけた。これに対し吉村知事は「万博トイレは廃棄ではなく、会期後のリサイクル等も考慮して仕様を決定することになっています。ただ、仰る通り、コスト論ではなく、その意義が重要で」と綴り、「万博トイレは、万博の意義を考え、若手建築家が考え抜いて挑戦しています。万博の批判は全部僕が受けますが、若手建築家には批判に負けず、挑戦して欲しいと思います」と挑戦を促した。

さらに、「トイレは会場に生理的に必要なものですが、万博トイレは、目的ではなく手段と捉え、ある意味、若手建築家の小さなパビリオンと捉えています。」と述べ、「万博トイレの公募で多くの応募作品から勝ち上がってきた、若手建築家の皆さん、頑張って思い切って挑戦して下さい。世界的建築家を目指して下さい」と、若手建築家へエールを送っていた。

これに対しXのコメントでは「万博は、各国のパビリオンや催事だけでなく、トイレ1つとっても、トイレ以外でも、1つ1つに人の心や挑戦が込められていると、読んでいてあらためて感じました」「多くの人が納得できるならいいと思いますよ」「若手建築家を盾に突き進むか、、」と賛否両論の声が巻き起こった。

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