カズレーザーも実は…「オンラインサロン」でファンを“養分”にする芸人たち

『キングコング』西野亮廣、『オリエンタルラジオ』中田敦彦をはじめ、昨今〝オンラインサロン〟で荒稼ぎする芸人が急増している。その広まりは留まるところを知らず、意外な芸人も〝二匹目のドジョウ〟を狙って運営しているようだ。

おしゃべりクソ野郎こと『品川庄司』の品川祐は、映画ほか自身の作品を共に創る有志をサロンで募っている。その手法は西野そっくりだが、あちらが大成功を収めているのに対し、こちらはメンバー59人とごくわずか。しかし、月額は5000円と高めであるため、これだけで29万5000円の収入である。

関西を中心に活動するたむらけんじは、1500~1800円とややリーズナブルなサロンを運営中。しかし、「小宴〜大規模イベントまでグルメ・スポーツ・音楽・ビジネスなど想いのある人たちが集い、交流するコミュニティ」と目的が曖昧なためか、2021年末現在、過去7日間と過去30日間の参加者はゼロ人。閑古鳥が鳴いている。

生活がかかっている売れない芸人だけでなく、売れっ子も運営しているパターンは多い。今やTVで見ない日はない『平成ノブシコブシ』吉村崇は、『御馬鹿会議』なるサロンを運営。目的は「必ず明けるであろうコロナ後に日本のお笑いを世界に発信したり、無人島購入のために奔走したり、サロンメンバーの御馬鹿な夢を形にしたり…」とのことで、こちらも吉村のコンテンツ制作に参加できるというありがちな特典だ。

クイズやグルメなど趣味特化のサロンも

発言が全て正論のごとくマスコミに礼賛されている『メイプル超合金』カズレーザーは、コンテンツ制作ではなく、クイズサークルとしてサロンを運営。会員になると大会開催、ネット上での回答・出題、問題考案などが行える同好会のような内容だ。労せず会員を集めるあたり、さすがはインテリである。

昨今は言論人としても活躍する相方に対し、個性がないことを理解している『髭男爵』のひぐち君は、同じ趣味を持つ層に特化。その内容はワインに特化したグルメ情報サイトのようなもので、ひぐち君が直接出向いた全国各地のワイナリー、畑、ワインバーなど、SNSには乗っていないワイン情報が手に入る。会費は1カ月3500円と高額だが、入る人はいるのだろうか。

このように昨今乱立している印象のサロンだが、これに先んじるように運営していたのが『ダチョウ俱楽部』寺門ジモンだ。彼は『食べマスター』なる会員制グルメサロンを2014年から運営中。コースは一般向けと法人向けがあり、一般向けでは毎月20店舗増える取材拒否の店や、各ジャンルの名店情報が検索でき、ジモンとのオフ会にも参加可能。法人向けでは、各飲食業界にパイプを持つジモンによる店舗コンサルやプロデュースを受けることができる。

有益な情報からまるで詐欺のようなサロンまで、その形態はさまざまだ。一つ言えるのは、熱心なファンが〝養分〟にされているということだろう。

【あわせて読みたい】