『週刊少年ジャンプ』で企画されている『JUMP新世界漫画賞』は、新人漫画家の登竜門となる賞の1つ。そこで人気漫画家の絵柄にそっくりな作品が入賞し、ファンを驚かせているようだ。
プロ漫画家と見まがうクオリティー
読者の度肝を抜いたのは、「JUMP新世界漫画賞」2021年12月期で準入選となった阿久津ナオキの『ボーイミーツガールミーツボーイ』。恋人の死を防ぐためタイムリープを繰り返す男が、恋人から思わぬ事実を突きつけられる、会話劇を中心としたSFロマンスだ。
受賞作は「ジャンプ+」でも公開されているのだが、注目すべきは絵柄やコマ割りのクセ。『チェンソーマン』で知られる藤本タツキの特徴に似ており、作品を読んだ人からは戸惑いの声すら上がっている。
本日発売の少年ジャンプ12号で、2021年12月期新世界漫画賞の審査結果が発表され、準入選2本&佳作3本と、またまたスゴい結果になりました。受賞作はジャンプ+から無料で読めますので、ぜひ未来の大ヒット作家をチェックしてください!→https://t.co/Sg1nITXYRD pic.twitter.com/YG2OkboX6C
— 少年ジャンプ漫画賞 (@jump_mangasho) February 21, 2022
さらには、藤本が別名義を使って新人賞に応募したという説も浮上。《タツキがなんか新しいことやりたいなって名前変えて新人賞に応募したんじゃなくて?》《タツキがまた新人のフリして漫画描いてら》《「タツキに影響受けた新人」のフリして本人が送った可能性を捨てきれない》《これ逆にタツキじゃなきゃ既存の作家に絵柄寄せすぎだって叩かれるレベルだろ》と勘繰る声が上がっている。
藤本タツキならやりかねない?
これまでの藤本の“奇行”を考えれば、ファンたちが邪推するのも仕方がないかもしれない。たとえば代表的なものといえば、藤本の妹を自称するツイッターアカウント「ながやまこはる」。担当編集者が関係者のフリをした危険人物と思い、藤本に報告したところ、実は藤本本人のアカウントだったそうだ。
また「pixiv」では、日本語勉強中のフィリピン人を装っていたこともある。次は名前を変えて、新人漫画家として腕試ししている…という考察もあながち突飛なものではないだろう。
とはいえ、「ボーイミーツガールミーツボーイ」に関しては変名疑惑を否定する声も少なくない。予想を裏切る展開を好む藤本にしては、比較的穏やかなストーリーとなっているからだ。
SNS上では《藤本タツキ本人だったら、もうちょっと画面演出で見せると思うぞ?》《絵と構図とコマ割りはタツキだけどストーリーはタツキじゃなかった》《かなり似てるけどこんなハッピーエンドにしないやろ》といった意見が飛び交っており、真相は今のところ分からない。
なお、受賞の発表があった「ジャンプ」12号では、編集部からの講評で「もう少し自分なりの絵柄になるよう修正してみてほしい」とチクリ。明記されていないが、藤本との酷似を指しているのだろう。
はたして「阿久津ナオキ」とは何者なのか。正体を見極めるためにも、今後の活躍に注目したいところだ。
文=野木
【画像】
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