“平和の祭典”とは…? ウクライナ侵攻と同時開催のパラリンピックに疑問

(C)Mirko Kuzmanovic / Shutterstock

ロシアによるウクライナ侵攻によって、3月4日開幕の『北京冬季パラリンピック』にも大きな影響が出ており、〝平和の祭典〟の意義を改めて問う声が続出している。

2日、国際パラリンピック委員会(IPC)は、ロシアパラリンピック委員会(RPC)や、ロシアと同盟関係にあるベラルーシの選手について〝中立的な立場の個人〟として出場を認める意向を示していた。

ところが3日に一転。IPCは、多くの国から両国の選手出場を認めるなら、出場を見送るという訴えが寄せられたとのことで、ロシアとベラルーシの選手の出場を認めないことを決定した。

どうやらロシアのウクライナ侵攻により、各国の出場選手間でもいざこざが起こっている模様。IPCのアンドリュー・パーソンズ会長は「選手村の状況は悪化して手に負えなくなっている」とコメントしており、すべての参加者の安全を守るために、当初の意見を撤回したそうだ。

一方、北京パラリンピックのクロスカントリーなどに出場予定だったロシアのイワン・ゴルプコフ選手はインスタグラムで「政治はスポーツの外にあるべき」など、苦言を呈している。

今一度問われる“政治とスポーツ”の関係

しかし、ウクライナの青年スポーツ省はSNSで、バイアスロンのジュニア代表チームに所属する19歳のユージン・マリシェフ選手が、ロシア軍との戦闘で死亡したと発表していた。ほかにもウクライナでは、戦闘に加わっていた20代のサッカー選手2人の死亡が発表されているようだ…。

不安定な国際情勢に世界が揺れているが、米紙『ニューヨーク・タイムズ』は2日、中国政府当局者がロシア政府高官に対し、『北京五輪』が終了するまで、ウクライナ侵攻しないように、2月初旬に要請していたと報じた。

しかし、ご存じの通り、ロシアはウクライナへ侵攻。パラリンピック前の一連の動向に対し、日本国内のネット上からは、

《戦争まっ最中に平和の祭典パラリンピック開くとかどんなギャグだよ》
《パラリンピック、ロシアとベラルーシの選手団80名を除外。平和の祭典とは…》
《侵略戦争やってる裏で平和の祭典やるのか…》
《オリンピックとパラリンピックって、たしか平和の祭典ですよね? 全然不穏ですけど!?》
《パンデミックと戦争と平和の祭典。世の中めちゃくちゃだな》
《五輪はもはや「平和の祭典」を冠する資格はない》
《全世界を巻き込む戦争と平和の祭典が同時に開催される狂気。現実が創作を超えてくるな》

といった疑問の声が続出している。

1980年の『モスクワオリンピック』は、集団ボイコットによって〝政治とスポーツ〟の関係が問われる大会となった。一連のゴタゴタに振り回される選手たちは、どのような気持ちで競技に挑むのだろうか…。

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