8月2日に放送されたバラエティー番組『マツコの知らない世界』(TBS系)で、アニメの聖地巡礼が特集された。いずれも町おこしの一環として成功した聖地ばかりだったが、その一方で“失敗例”には触れていなかったことから、一部でツッコミを浴びてしまっている。
名作アニメの聖地を多数紹介
同番組では、『ラブライブ!』シリーズの舞台となった静岡県沼津市や、『ガールズ&パンツァー』の茨城県大洗町をはじめとした聖地を紹介。実際に存在する店のメニューをモデルとした「聖地メシ」や、声優の街ブラロケで話題となった『やくならマグカップも』なども取り上げられた。
さらに番組後半では、『らき☆すた』の舞台である埼玉県久喜市鷲宮を詳しく解説。同アニメのもたらした経済効果が31億円だと明かされると、マツコ・デラックスも驚愕。「オタクは金を使う」「オタクが経済支えてるわよ」と感心しきりな様子だった。
しかし番組を見た事情通のアニメファンからは、《ラグランジェとかメガネブみたいな失敗例には触れなかったな》《紹介されたのはある程度成功したアニメと町だけだね》《のうりんの聖地紹介されなくて悲しかったわ》といった指摘も上がっている。
「アニメで町おこし」はハイリスク
番組だけを見ると、実在する場所をアニメに登場させて聖地化すれば、簡単に町おこしできるように思えてしまうかもしれない。しかし実際はそうではなく、過去にはさまざまな「アニメ町おこし」が悲惨な失敗を遂げてきた。
たとえば、千葉県鴨川市を舞台としたアニメ『輪廻のラグランジェ』はその1つ。制作サイドが自ら聖地を鴨川市だと公表したり、各話のタイトルに「鴨川」と入れたりしたことで、自治体が制作に介入しているのではと邪推されてしまうことに。その結果、アニメファンから「オタなめんな」などと叩かれてしまったことで知られている。
また、2014年に放送されたアニメ『のうりん』では惨事が発生。同作は岐阜県美濃加茂市を舞台としており、第1話が美濃加茂市の公共施設で先行放送された。しかし、その第1話に成人向けアニメと見紛うようなドギツイお色気シーンがあったため、ネット上で騒がれてしまう。
そしてその際の懸念が的中したかのように、2015年には炎上騒動が勃発。アニメとコラボしたスタンプラリーのポスターにて、お色気要素の強いキャラクターが描かれていたことで、フェミニストからの批判を浴びてしまった。このポスターは回収され、別のデザインへと変更されたという。
いずれにしても安易なアニメ町おこしの計画には、失敗するリスクがあることを忘れるべきではないだろう。炎上するならまだいい方で、話題にすらならずに消えていくパターンもあるのだから…。
文=「まいじつエンタ」編集部
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