ジャンプにポスト『アクタージュ』爆誕!?『あかね噺』が鳥肌展開で人気うなぎ上り

ジャンプにポスト『アクタージュ』爆誕!?『あかね噺』が鳥肌展開で人気うなぎ上り

ジャンプにポスト『アクタージュ』爆誕!?『あかね噺』が鳥肌展開で人気うなぎ上り (C)PIXTA

いま大きな話題を呼んでいる人気連載『あかね噺』が、8月22日発売の『週刊少年ジャンプ』38号にて表紙&巻頭カラーで登場。作中の展開もこれ以上ないほどの盛り上がりを見せており、読者たちを夢中にさせているようだ。

※『あかね噺』最新話の内容に触れています

同作は落語家を破門になった父の無念を晴らすため、落語家を目指すようになった女子高生・桜咲朱音の活躍を描いた作品。

ここ最近の展開では、プロ入門を間近に控える朱音が、アマチュア学生向けの落語選手権「可楽杯」に出場。その目的は、父を破門にした落語家・阿良川一生と相まみえることにあった。

最新話となる第26話『来ていい場所』では、決勝の舞台にて有名落語の「寿限無」を披露。プロ顔負けの実力を見せつけて観客の心を掴み、見事に勝利を勝ち取るのだった──。

落語は少年漫画としてはマイナーな題材だが、「可楽杯」では「ジャンプ」でお馴染みと言える、トップを競い合う“勝負事”が描かれることに。分かりやすい強みが設定されたライバルたちも登場し、落語の知識がない読者でも楽しめる構成になっていた。

さらに誰もがよく知る「寿限無」を題材としたことも、読みやすさに大きく影響しているだろう。

また朱音の落語を見た、宿敵・一生の反応も秀逸。ここで朱音を認めるような安易な展開にはならず、なぜかすごむような態度で、「ここはお前が来ていい場所じゃない」と言い放っていた。ますます格が上がった描写に、ネット上では《まるで立川談志師匠が蘇ったような感覚》《本当に50億満点のセリフ》といった声が上がっている。

「ジャンプ」次世代エースなるか

「あかね噺」は、近頃始まった新連載の中でもかなりの注目株。今号で第1回以来の巻頭カラーを獲得したのも、その勢いの現れと言えるだろう。

編集部からのプッシュも厚く、コミックス第1巻の帯には『ONE PIECE』の尾田栄一郎が寄稿。そして第2巻の帯では、『新世紀エヴァンゲリオン』や『シン・ゴジラ』の庵野秀明というビッグネームが推薦コメントを寄せていた。

なお、庵野は推薦コメントにて同作を「少年ジャンプの王道」と評している。かつて「ジャンプ」の王道といえば、男性主人公によるバトル漫画やスポーツ漫画のイメージが強かった。しかし、2018年に演劇漫画『アクタージュ act-age』がヒットし、女性主人公や文化系のテーマも王道と認められつつある印象だ。

「あかね噺」もまた、そうした潮流のなかで人気を博している後継作の1つ。原作者の不祥事で打ち切りとなってしまった「アクタージュ」に代わり、次世代を背負って立つ作品になるかもしれない。

文=野木

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