『ポケモンSV』はなぜバグ多発ゲーになったのか…ニンテンドースイッチのスペック不足?

『ポケモンSV』はなぜバグ多発ゲーになったのか…ニンテンドースイッチのスペック不足?

『ポケモンSV』はなぜバグ多発ゲーになったのか…ニンテンドースイッチのスペック不足? (C)PIXTA

新作ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』(ポケモンSV)に、はやくも暗雲が漂っている。プレイヤーの間では度重なるバグの発生やクオリティ不足が話題を呼んでおり、ニンテンドースイッチへの不満にも発展している。

バグだらけのポケモン最新作

同作は、11月18日に発売されたニンテンドースイッチ用ソフト。前作の『LEGENDS アルセウス』で試験的に導入されたオープンワールドシステムが、さらに発展したゲーム性となっている。

昨今のゲームではオープンワールドの仕組みを導入するものが増えており、今作では「ポケモン」シリーズで初めてそれを実装した形だ。発売前には、新たな時代の幕開けに期待する声も多く見られた。

ところが実際にソフトが発売されると、ユーザーからは数多くのバグ報告が。笑いのネタになるような小規模なバグから始まり、《色違いのポケモンを捕まえた瞬間にゲームが落ちて絶望した》《変なところにキャラがワープするバグ多すぎ》《街の子供に話しかけたらフリーズして進行不可能になった》など、致命的とも言える不具合も。

ネット上ではすっかり“バグゲー”としてイジられているようだが、それだけでなく、グラフィックの描画がカクついたりすることも指摘されている。

やり玉にあがるニンテンドースイッチ

そもそも「ポケモンSV」の発売自体、前作から1年ほどしか空いていない。そのため、開発のスケジュールが足りていなかったのではないか…という疑いの声も少なくない。

しかしその一方、《スイッチのスペックの限界を感じる…》《Switchのスペック不足は否めない》《ポケモンPCゲーかプレステに移行しよ?》などと、ニンテンドースイッチのスペックが引き起こした問題とも推測されているようだ。

たしかにSNSで報告されているバグの多くは、ゲーム機自体が情報を処理できずフリーズする、処理落ちによるもの。いくらゲームを作り込んだとしても、それを動かす性能がなければ意味がないと言える。

ニンテンドースイッチは発売からすでに5年以上が経過しており、同時期に発売されたオープンワールドゲーム『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』ですら、当時からスペックギリギリと噂されていた。より広大かつ精密に作り込まれたオープンワールドのゲームには、スペック的に付いていけないのかもしれない。

とはいえ、ニンテンドースイッチが爆発的にセールスを伸ばしたのは、コロナが流行した2020年以降のことだ。そこで流れ込んできたユーザーたちに配慮するなら、軽々と新型ハードに移行することは難しいだろう。

要求スペックとユーザーの意向、両者を天秤にかけて判断しなければならない任天堂。今後の注目タイトルはどのように動いていくのだろうか。

文=富岳良

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Khosro / PIXTA