サッカーW杯熱狂のウラに6000人以上の犠牲…スポーツの祭典が抱える闇

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サッカーワールドカップ・カタール大会が12月18日まで開催され、日本を含む全世界を熱狂に包んだ。

決勝戦のアルゼンチン対フランスが歴史に残る名試合だったこともあり、大会は大成功したが、その裏に多くの犠牲が伴っていたことを忘れてはいけない。

カタールが今大会の開催国に決定したのは2010年のことだった。

液化天然ガスの産出国として有名なカタールは、世界一裕福な国と呼ばれたこともあり、W杯に向けて巨額の予算を投入してスタジアムやホテル、地下鉄、道路などを整備していた。

2017年にカタールの財務相は、スタジアムや空港の拡張などに毎週5億ドルを投じていると発表していたようだ。

だがそのウラで、移民労働者の大量死が起きていたことをご存知だろうか。

『文春オンライン』が報じたところによれば、W杯に関連していると疑われる死亡例は、実に6500件以上。炎天下において搾取的な労働条件で酷使され、命を落とした移民労働者が後を絶たなかったそうだ。

犠牲者多し、W杯&五輪

いつしか〝史上最も死者を出したW杯〟といわれるようになったカタール大会だが、世界の人々はW杯の余韻を引きずっている状態だ。

「世界規模の大会とあれば、多くの人と金が動くのは当たり前のこと。それはW杯だけに限らず、2021年に開催された東京五輪でも同じようなことが言えるでしょう。

東京大会の建設現場でも作業員の死亡例が報告されており、そのうちの1人は極度の残業での過労が原因で自殺したと言われています。

また五輪の闇はそれだけにとどまらず、のちに五輪のスポンサー契約をめぐる汚職問題が次々と発覚。12月22日には紳士服大手『AOKIホールディングス』の前会長ら3人の初公判が行われたのですが、前会長の青木拡憲被告は起訴内容を認めていました」(芸能記者)

世界レベルの大会が開催されるときは、大会そのものだけではなく、そのウラにある〝闇〟にも目を向けるべきなのかもしれない。

とはいえ、人間は忘れる生き物。大会が成功すれば、犠牲者のことなど忘れる人がほとんどだろう。

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