『るろうに剣心』続編が“同窓会”に…懐かしキャラ続々登場も盛り上がらない理由

『るろうに剣心』続編が“同窓会”に…懐かしキャラ続々登場も盛り上がらない理由

『るろうに剣心』続編が“同窓会”に…懐かしキャラ続々登場も盛り上がらない理由 (C)PIXTA

かつて『週刊少年ジャンプ』の看板として人気を支えた『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』。その続編が現在『ジャンプSQ.』で連載されているのだが、イマイチ読者がついてきておらず、「同窓会編」とも揶揄されている。

サービス精神にあふれているが…

続編にあたる『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚・北海道編-』は、前作の完結から18年後、2017年9月に連載が始まった。

そこで描かれているのは、剣心が流浪人として東京に流れ着いてから5年後の物語だ。

戦死したはずだった神谷薫の父が生存していることがわかり、その行方をたどるべく、剣心たちは北海道へ。道すがら、世界規模の戦争を目論む組織「劍客兵器」と衝突することになる。

剣心の活躍をふたたび見られる正統な続編だが、ほかにもファンサービスが旺盛で、懐かしのキャラが次々登場。

斎藤一や瀬田宗次郎といったライバルたち、読者に強烈なインパクトを与えた“ガトリング斎”こと武田観柳、盲目の剣士・魚沼宇水の意志を継ぐ弟弟子など、役者が勢ぞろいしている。

よくもわるくもファンのノスタルジーを刺激することには成功しており、《るろ剣北海道編 なつかしキャラの同窓会になって草》《北海道編読んでると同窓会感に浸る》《北海道編、まじで同窓会状態だからみんな読んで。最高だから》《北海道編読み始めたけど同窓会的展開だけでもめちゃくちゃ楽しい》と盛り上がっているようだ。

なぜか『SLAM DUNK』になれず…

ところが、そんな「北海道編」に冷めた視線を送る人も少なくない。

前作で見慣れたキャラたちがあまりにも多く登場してくるため、むしろ《北海道まできたのに身内ばっかで世界が狭い》といった苦言を呈されていた。

また、盛り上がりに欠ける理由には、同作の連載媒体も関わってくるだろう。「ジャンプSQ.」の発行部数は10万部台の前半で、「週刊少年ジャンプ」本誌と比べると、およそ10分の1に過ぎない。

「北海道編」はWeb公開もされていないため、リアルタイムで連載を追えている人の数はかなり限られそうだ。

近年は、紙媒体から1週遅れてWeb媒体で掲載されるという作品も増えている。「北海道編」も『少年ジャンプ+』などで連載されれば、かつての「るろうに剣心」ファンに発見してもらえそうだが…。

文=野木

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