『ヒロアカ』はなぜ盛り上がらない? 最終決戦なのに“クラスメイト”の出番ナシ

『ヒロアカ』はなぜ盛り上がらない? 最終決戦なのに“クラスメイト”の出番ナシ

『僕のヒーローアカデミア』36巻(堀越耕平/集英社)

いよいよ物語がクライマックスに差し掛かり、ヒーローとヴィランの最終決戦が繰り広げられている『僕のヒーローアカデミア』。しかしメインキャラである「雄英高校」1年A組のクラスメイトたちがほとんど活躍の場を与えられておらず、不満を抱く読者も多いようだ。

※『ヒロアカ』最新話までの内容に触れています

現在『週刊少年ジャンプ』で連載されているのは、オール・フォー・ワン(AFO)率いるヴィランとの最期の戦いを描いたエピソードだ。エンデヴァーを始めとしたプロヒーローも勢ぞろいしており、まさしく総力戦の様相を呈している。

そこでは数多くのキャラクターたちに出番が与えられているのだが、なぜか1年A組のクラスメイトたちはあまり出番が多くない。

一応、人気キャラクターの爆豪勝己や轟焦凍は存在感が大きく、それなりに時間をかけて戦闘シーンが描写された。また麗日お茶子と蛙吹梅雨、常闇踏陰と耳郎響香、障子目蔵と口田甲司といったコンビも前線に立ってはいる。

しかしそれ以外のキャラクターはどうだろうか。各地に分断されたヴィランと戦っているものの、モブキャラ程度の存在感しか発揮していない。

さらに八百万百や上鳴電気に至っては、死柄木対策に作られた“天空の棺”を動かすために能力を発揮しており、完全に舞台裏の人員となっている。

ヴィランを優遇しすぎた結果…

今のところ最終決戦で目立っているのは、むしろ“クラスメイト以外”のキャラクターたちだ。

雄英ビッグ3の通形ミリオ・天喰環・波動ねじれ、1年B組の物間寧人…。そしてこの期に及んで、スピナーやトガヒミコといったヴィランサイドの人物たちの掘り下げが続いている。

また、最近ではヒーローサイドの反撃として、ラブラバやジェントル、レディ・ナガンといったキャラクターたちが再登場する展開に。しかし彼らは元々敵だった存在であり、以前からあった“ヴィラン贔屓”の延長線上として捉える読者もいるようだ。

ヴィランサイドの過去や葛藤ばかりが掘り下げられた結果か、ネット上では《高校生ヒーロー候補組の掘り下げ浅くね?》《A組みんなの活躍とバックボーンを見届けるまで絶対にヒロアカ終わらせないでほしい》といった声も。

サブタイトルとして「皆がヒーローになるまでの物語」とも銘打たれているが、A組の面々にスポットが当たることはあるのだろうか。

文=野木
写真=まいじつエンタ