スラダンに続き『TRIGUN STAMPEDE』も…日本アニメの嫌われ者“CG”が巻き起こす革命

スラダンに続き『TRIGUN STAMPEDE』も…日本アニメの嫌われ者“CG”が巻き起こす革命

スラダンに続き『TRIGUN STAMPEDE』も…日本アニメの嫌われ者“CG”が巻き起こす革命 (C)PIXTA

不朽の名作漫画『TRIGUN』(トライガン)を原作としたアニメ『TRIGUN STAMPEDE』(テレビ東京系)が、1月7日より放送中。従来のアニメ界隈では何かと批判されがちな“CGアニメ”なのだが、圧倒的なクオリティに絶賛の声が巻き起こっている。

次世代クオリティのCGに手のひら返し

アニメにおける“CG”といえば、ヌルヌルとした動きのせいでケレン味が不足しがちで、迫力のある画面や生き生きとしたキャラクター表現が成立しにくいと言われていた。

「TRIGUN STAMPEDE」も放送前、「フルCG作画」であることが発表された時点で、ファンから散々批判を浴びていた印象だ。

ところが放送が始まるやいなや、SNS上では手のひら返しするファンが続出。《本物の次世代CGアニメ》《CGアニメ苦手だけどトライガンは“神作画”》《戦闘シーンの動きが神がかってた》といった声が相次いでいる。

というのも「TRIGUN STAMPEDE」は、セル風の滑らかな動きを再現しつつ、3Dの立体感や奥行きを感じさせている。つまり3Dアニメの弱点を克服するどころか、2Dとのいいとこどりを実現しているのだ。

昨年11月には、製作会社「オレンジ」のプロデューサー・和氣澄賢氏によるインタビュー記事が『ファミ通.com』で公開。そこで「TRIGUN STAMPEDE」のハイクオリティなCGについて、クリエイターたちによるノウハウの蓄積に支えられたものだと解説していた。

すなわち次世代CGの実現は、たんなる技術革新の恩恵ではなく、アニメ製作会社やクリエイターたちの努力による側面が大きいのだろう。

CGアニメ革命は映画『SLAM DUNK』でも

また、2022年12月より上映が始まり、興行収入100億円を突破した大ヒット劇場アニメ『THE FIRST SLAM DUNK』でも、表現の革命が行われていた。一足先に“新時代のCG”を披露し、観客を驚かせたのだ。

同作のアニメーション制作を手掛けたのは、『東映アニメーション』と『ダンデライオンアニメーションスタジオ』。

いずれも長年CG技術のノウハウを積み重ねてきた、実力ある制作会社として知られている。

同作が革命的だったのは、原作漫画タッチのキャラクターが背景と溶け込み、スムーズに動いている点。すなわちセル画が得意とする手法を、CGで再現していた。

とくに試合シーンは評価が高く、ファンからも《リアルタイムで試合を観てるかのような没入感》《CGどうなんだろって見る前思ってたけど出来が凄いイイ》と絶賛を集めている。

CGの評価を一変させるような作品が次々と現れるアニメ業界。これをきっかけに、さらなる表現の進化に期待したい。

文=ゴタシノブ

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Benzoix / PIXTA