にじさんじ『崩壊:スターレイル』配信を独占! ホロライブが絡めない裏事情

にじさんじ『崩壊:スターレイル』配信を独占! ホロライブが絡めない裏事情

にじさんじ『崩壊:スターレイル』配信を独占! ホロライブが絡めない裏事情 (C)PIXTA

『原神』に続く中国ブランドの無料オンラインゲームとして、大きな注目を集める『崩壊:スターレイル』。VTuber事務所『にじさんじ』では同作との大々的なタイアップが始まったが、そこに『ホロライブ』が一切絡んでいないことを不審に思う人もいるようだ。

YouTubeで発車した「にじレイル」

「崩壊:スターレイル」は、中国のゲーム会社miHoYoの海外向けブランドHoYoverseが放つスペースファンタジーRPG。リリース直後から全世界2,000万ダウンロードを達成するほどの話題作だ。

「にじさんじ」では「にじレイル」と題して、同作と公式タイアップを行っており、4月27日~5月20日にかけてグローバル配信企画も実施されている。

「にじさんじ」公式ツイッターの発表によると、えるや葛葉、周央サンゴや壱百満天原サロメなど、多数のライバーたちがPR配信を行う模様。さらにVox Akuma(ヴォックス・アクマ)をはじめとした8人の『NIJISANJI EN』メンバーの名前もあり、合計で36人もの「にじさんじ」ライバーたちが参加する予定だ。

ところで現在のVTuber業界といえば、「にじさんじ」と『ホロライブ』の二強状態が続いていることで知られる。しかし「ホロライブ」メンバーは今のところ、一切「崩壊:スターレイル」の案件に参加していない。

現状を不思議に思うファンも多いようだが、実はこの背景には「ホロライブ」と中国の関係にまつわる特殊な事情が絡んでいる。

中国ゲームをプレイできない「ホロライブ」

すべての発端となったのは、2020年9月に起きた「一つの中国」騒動だった。

当時「ホロライブ」メンバーだった桐生ココが配信中、YouTubeのアナリティクス情報を解説したところ、そこで国名として台湾の名前があったことが火種になったのだ。

中国政府は台湾を独立した国と認めておらず、この方針は保守派のネットユーザーたちにも根強く浸透している。

そのため、中国の動画サイト「bilibili」から大炎上へと発展することとなった。

それ以降、「ホロライブ」は不自然と思われるほどに中国での露出が激減。かつては『雀魂 -じゃんたま-』や『アズールレーン』の案件に出演していたが、現在では案件に出なくなっただけでなく、通常のゲーム配信でもほとんどプレイされていない。

当然、HoYoverseの『原神』もほぼノータッチなので、運営が同じ「崩壊:スターレイル」にも期待はできないだろう。

ここ数年、ソーシャルゲームやオンラインゲームの界隈では中国のゲームが日本市場を席捲している。

とくに「原神」や「崩壊」シリーズはその筆頭とも言える人気タイトルなので、今後も状況が変わらないとすれば、「ホロライブ」にとっては大きな痛手となりそうだ。

文=大上賢一

【画像】

Khosro / PIXTA