巨人の“東京ドーム移転”計画はどうなる? ドーム解体はほぼ確実でも…

(C)TK Kurikawa / Shutterstock 

多くのアーティストが〝憧れの舞台〟とし、プロ野球では日本一の人気チーム・読売ジャイアンツが本拠地にしている東京ドーム。

未だに国内最大級の興行施設として君臨する同球場だが、今年で開業35周年と老朽化が進んでいる。

「東京ドームは昨年に巨大LEDビジョンを設置したほか、キャッシュレス推進やトイレ改修など、100億円規模となる過去最大のリニューアルを行いました。

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しかし、施設はすでに40年近く使われており、老朽化は深刻。コンコースは古くて薄暗いですし、座席の間隔も狭く、あまり快適ではありません」(週刊誌記者A)

こうした背景により、2015年ごろから、巨人が〝球場移転〟を検討しているとの報道が多くなされてきた。

「親会社・読売新聞の本社オフィスも近い築地への移転です。これは、築地市場の豊洲移転で空いた広大な土地に球場を建て、巨人が新本拠地として利用する案。

親会社のパイプを使って政財界に働きかけ、一時は成立寸前まで行ったと言われています。

しかし、16年に小池百合子都知事が就任すると、跡地利用に関して〝食のテーマパーク構想〟を掲げ、白紙に戻ってしまいました」(週刊誌記者B)

老朽化以外の面でも、巨人が東京ドームを使用し続ける理由はなくなってきている。

築地移転は頓挫? “ドーム建て替え”の買収劇

「東京ドームは多目的なイベント施設ですから、巨人はあくまで〝借りている〟状態。管理・運営は巨人関連会社ではなく『株式会社東京ドーム』で、その使用料は年間約30億円とも言われています。

コロナ禍で無観客だった2020年、入場制限がされていた21年は、チケット・グッズ収入の激減により、このレンタル料が重くのしかかりました」(週刊誌記者C)

コトが大きく動いたのは20年の11月だ。大手デベロッパーの三井不動産は、株式会社東京ドームを1000億円規模で買収した後、東京ドーム株の20%を読売新聞グループ本社に譲渡することを発表した。

そしてこれは、巨人が〝新球場建設〟に動き出したことを意味しているという。

「親会社・読売グループが株主となったことで、東京ドームは巨人の自前球場に一歩近づいた形になります。おそらく、築地移転の白紙化に伴い、ドームの使用継続・建て替えに舵を切ったのでしょう。

ドーム経営の主導権を握ることで、ゆくゆくは解体・新設する方向に誘導するのでは。しかし、100億規模の改修から1年しか経っていませんから、当面の間は今のドームを使用することになりそうです」(週刊誌記者D)

前身の後楽園球場から数えると、後楽園・水道橋は100年以上にわたり〝巨人の土地〟となりそうだ。

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