『VIVANT』乃木は“裏切り者”ではなかった? 野崎へのメッセージ、スネイプ社の存在に考察が加速

堺雅人 

堺雅人 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ 

8月27日に放送された日曜劇場『VIVANT』(TBS系)第7話では、ラスト5分で主人公の乃木憂助(堺雅人)が別班を裏切る衝撃展開が描かれた。

だが、作中の意味深な描写に注目してみると、乃木が裏切り者ではない可能性が見えてくる。

主人公の乃木は丸菱商事の商社マン。父・卓(林遣都)は乃木がまだ幼い頃に、バルカ共和国の内乱に巻き込まれて亡くなった…はずだった。

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しかし13日に放送された第5話では、国際テロ組織「テント」のリーダー、ノゴーン・ベキ(役所広司)こそが乃木の父親であり、内乱で死んだと思われていた彼がまだ生きていたことが発覚。迎えた第7話では生き別れた父親に会いたい一心で、乃木が別班の仲間を次々と狙撃し、テントのナンバー2・ノコル(二宮和也)との接触を試みている。

ここまで聞くと一見、乃木が私欲に負けて別班を裏切ったように見えるものの、彼には〝真の狙い〟があるのではないかと視聴者の間でもっぱらのウワサだ。

乃木の意味深な発言に隠された真意とは

根拠となる描写は主に2つ。まず1つ目は、飛行機のなかで見せた乃木と警視庁公安部・野崎守(阿部寛)の対話シーンだ。野崎は可愛がっていた後輩が乃木に似ていると話し、その後輩がいきすぎた捜査で死んでしまったことが唯一の後悔だと語っている。

するとしばらくして乃木がおもむろに野崎の手に触れるなり、「あなたは鶏群の一鶴、眼光紙背に徹す」と発言。場面はそこで終わり、次の瞬間には手荷物受取所のシーンへと切り替わるのだが…。

「〝鶏群の一鶴〟とは、多くの凡人のなかに一人だけ優れた人物がいることのたとえ。一方、〝眼光紙背に徹す〟は書物を読むときに表面の意味だけでなく、その裏にある真意も読み取ることを示します。

それらの言葉を伝えた乃木の意図としては、野崎に対する励ましの言葉のようにも思えますし、あるいはこれから起こる出来事を暗に示しているようにも感じるでしょう。たとえば〝鶏群の一鶴〟は裏切り者のことを指しており、その裏にある真意を読み取ってほしくて野崎に『鶏群の一鶴、眼光紙背に徹す』と伝えたのだとすれば、乃木の裏切り行為には何か別の意味があるのかもしれません」(ドラマライター)

また2つ目の根拠としては、乃木の商談先〝スネイプ社〟が挙げられる。乃木の口から〝スネイプ社〟の名前が出る直前には、野崎が難病の少女・ジャミーンのために『ハリー・ポッター』のDVDを見舞い品として持ってきていた。

「ハリー・ポッター」に登場するセブルス・スネイプといえば、闇の帝王・ヴォルデモートと、ホグワーツの校長・ダンブルドアの二重スパイという役どころである。

もしこれが伏線になっているのだとしたら今回裏切った乃木は二重スパイ、つまり裏切ったように見せかけて実は裏切っていない可能性も考えられそうだ。

はたして乃木は本当に組織を裏切ったのか、それとも何か別の目的があって裏切り者を自作自演しているのか。すべての真実が明らかになる日が待ち遠しい。

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