東山紀之新社長の“記憶にございません”答弁にガッカリ…前途多難を予感させるジャニーズ会見

左から、井ノ原快彦、東山紀之、藤島ジュリー景子氏、木目田裕弁護士 (C)まいじつ 

9月7日に開かれたジャニーズ事務所の会見で、東山紀之が芸能界引退と新社長就任を発表した。これで心機一転再出発と行きたいところだが、会見での受け答えは前途多難を予感させるものだった。

事務所の〝長男〟として後輩からの信頼も厚く、人格者としてリーダシップに溢れる東山だが、この日はやや様子が異なった。

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東山は冒頭、性加害に関し、噂レベルでは聞いていたとした上で「恥ずかしながら何もできず、何の行動もしておりませんでした」とコメントしている。

自責を示した上で、生前は恩人と慕っていた故・ジャニー喜多川氏に対しても、批判的に「結果、あの方は誰も幸せにしなかった」「人類史上最も愚かな事件」と言い切ってみせた。

だが、自身の問題に質問が及ぶと、回答は歯切れの悪いものへと変わっていく。

元Jr.が出版した一部暴露本に、東山が冗談で性加害を助長した記述があると記者から追求されると、「僕が性加害をしたのかということですか?」と聞き返し、「僕はしたことはないです」と断言した。

しかしその後、別の記者から同様の質問を受けた際には「本を読んでいないのできちっと分かりませんが、事実ではないと思っております」とややトーンダウンする。

そして「書籍になった場合、やはりある程度のことを書かなければいけないのかなとも思いますので。どうしてもやっぱり、噂だったり、そういうもので見られることも多々ありますので」と脚色もあった可能性を指摘した。

新社長としてのリーダシップを示せず

さらに別の記者から「読んでないのになぜ虚偽だと思うのか」「中身も読まずになぜ分かるのか」との問いには、「ネットで(概要を)見ました」と答えていた。

しかし、記者が同書の記述を詳細に語ると「もちろん覚えてることと、覚えてないことがありまして」と自信のなさを覗かせるのだった。

さらに「でも、本当に覚えてないことの方が多くてですね、もしかしたらしてる可能性もあるし、もしかしたらしていないかもしれないし」と、歯切れ悪く曖昧に返答する。

続けて、「もちろん若気の至りがあったりとか、その時の自分の幼稚さであったりとか、そういうのもあったとは思うんですね」と含みを持たせ、「ただ、本当に記憶を辿ってもちょっと覚えてないことも本当に多くて」「なかなか記憶を呼び起こすことが難しい作業でもあったので、したかもしれないし、してないかもしれないというのが本当の気持ちですね」とコメント。

当初の「したことはないです」から、かなりトーンダウンしてしまった。

この発言は、新社長としての指導力に不安を抱かせるものとなっただろう。一連の騒動を考えれば、新社長には性加害との決別と再発防止の徹底が求められる。だが、最終的に『やっていない』と断言できなかったとなると、刷新のアピールには繋がらない。

記憶が曖昧だとする玉虫色の政治家答弁で、胸を張って否定できなったことも、リーダーとしては頼りない印象を与えただろう。求心力が要される中、この出だしでは先行き不安だと見ざるを得ない。

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